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[オピニオン]文昌克氏の動画と聴聞会

Posted June. 18, 2014 03:30,   

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2011年、ソウルのある教会で録画された動画ファイルが政局を揺るがしている。PSY(サイ)の新曲のミュージックビデオよりつまらないが、意味ある1時間の動画だ。ポータルでは、文昌克(ムン・チャングク)フル映像というキーワードで検索できる。首相候補の文昌克長老が教会信者に対して講義をする動画だ。この動画には、候補の歴史観や世界観が表現されている。

この動画は、教会の誰かが「積極的に」報道機関に提供したとみえる。11日夜、編集本がKBSを通じて放送された。人事聴聞会準備団は翌日「悪意的で歪曲された編集」とし、全動画を入手してユーチューブなどで公開した。

新聞写真の下には写真説明の「キャプション」が付く。動画にも誰かが付けたキャプションが付いて回る。キャプションを付けた人は、動画を撮った当事者かも知れないし、それを再加工した人かも知れない。

文昌克動画にもキャプションが付いている。野党が付けたキャプションは、「反民族的反歴史的人物の姿」だ。候補側のキャプションは、「韓国史の多くの試練が韓国を富強にするための意志だったことを伝えようとした」だ。同じ動画に正反対の説明だ。

政府は17日、文氏に対する任命同意案を国会に提出した。しかし、「民心」はすでに国会の外で動画ファイルに対する事前検証を始めた。悪意的な編集なのか明白な検証資料なのか確認しようと多くの国民が大切な時間を割いて動画を見た。言葉に出さなくても、首相候補の哲学と能力に対する考えを各自整理している。

情報技術が発達し、動画の記録や解釈、流通はとても容易になった。一部の放送では出演者に配慮しない編集も行われている。2009年、オーディション番組ブームを巻き起こした「スーパースターK」をネットユーザーは「悪魔の編集」と呼んだ。公正でない画面があるためだ。もはやこのような事実を知る人は知っている。それでも番組を楽しむのは、悪意的編集があるとしても、出演者の実力と本質を見抜くことができると信じるためだ。

編集の対象になった当事者が違うと抗弁することもできる。脈絡が違うという説明は、人の心を動かすことができなければしなくてもいい説明だ。大統領候補だった鄭東泳(チョン・ドンヨン)氏の老人卑下発言の動画がこのようなケースに当たるだろう。後に選挙や人事聴聞会を臨む考えがあるなら、今から言葉と文、イメージに気をつけるしかない。

聴聞会が進めてほしい。今回の聴聞会は、政治家が不利な事実をどのような論理でかわし、反対陣営がどのような資料を突きつけて相手を困惑させるのかを見ることができる機会だ。この人事検証の過程だけは国民のためにそのまま伝えられなければならない。そうしてこそ大韓民国の民主主義が発展する。