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「最後まで卑怯でなかったあたなこそ真なる船長」 セウォル号事務長の故ヤン・デホンさん

「最後まで卑怯でなかったあたなこそ真なる船長」 セウォル号事務長の故ヤン・デホンさん

Posted May. 17, 2014 07:54,   

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16日午後、仁川(インチョン)・嘉泉(カチョン)大学・吉(キル)病院の霊安室。

旅客船セウォル号沈没事故から1ヵ月後の15日、事故海域から収容され、同日、吉業院の霊安室に安置されたセウォル号事務長のヤン・デホン氏(45)の喪家には、義人の死を悲しむ弔問客が後を絶たなかった。普段からの知り合いだけでなく、彼についてメディアから知るようになった一般人の弔問客も、しばしば目に付いた。

故人の遺影の上には、「セウォル号事務長・故ヤン・デホンは、最後まで卑怯ではなかった」という垂れ幕がかかっていた。船長などが自分だけが助かろうとして、卑怯にも300人あまりの乗客を見捨てたのとは違い、最後の瞬間まで1人の乗客でももっと助けようと最善を尽くしたヤン氏の心境を示しているような気がした。氏は、セウォル号沈没当時、海水が押し寄せてくる緊迫な状況の中でも、調理師のキム某氏やアルバイトのソン某氏などを救助した後死亡した。

遺族らは、普段から勤倹節約だった故人の意を汲んで、弔慰金は受けないことにした。全国各地から殺到している弔花も、丁重に断っている。

長兄のテファン氏(56)は、「最初は、弟の経済事情がよくなく、弔慰金を生活費として使おうかとも思ったが、弟の意ではないような気がして、弟嫁に受け取らないことを提案し、悩んだ末承諾を受けた」と話した。テファン氏は、「弟は、1万ウォンもぞんざいに使わなかった。2ヵ月前、弟は済州道(チェジュド)のフリーマーケットでジャンパーを2000ウォン安く買ったと自慢したことがある。しかし、母親(83)のためには、金を惜しまなかった」と話した。

喪やを訪れて、弔問をしたチョ・スンジョン氏(53、主婦)は、「メディアを通じて、氏の犠牲精神について知り、わざわざ足を運んできたが、弔慰金まで受け取らず、驚いた。故人は生きている人たちに、どう生きるべきかを示しているような気がする」と涙を流した。

オンライン上では、「忘れてはならないセウォル号の義人」として、義死者に指定すべきだという書き込みが掲載されている。仁川西区(ソグ)は、来週、保健福祉部に義死者選定を申請する計画だ。

告別式は18日午前6時半に行われ、遺体は仁川富平(ブピョン)の霊園に埋葬される予定だ。