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野党が「チェ上兵特検法」を単独処理、尹大統領は拒否権に苦慮

野党が「チェ上兵特検法」を単独処理、尹大統領は拒否権に苦慮

Posted May. 03, 2024 08:58,   

Updated May. 03, 2024 08:58

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「チェ上兵特別検察官法(特検法)」(殉職海兵の捜査妨害及び事件隠蔽などの真相究明のための特別検事の任命等に関する法律案)が、最大野党「共に民主党」の主導で2日、国会本会議を通過した。昨年、集中豪雨の行方不明者捜索中に海兵隊のチェ上兵が殉職してから288日が経った。与党「国民の力」は、合意されていない上程だと反発し、採決前に退場した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表との会談から3日後、尹大統領に照準を当てた特検法が同党主導で処理されたことで、第21代国会最終日まで与野党の対立が続く見通しだ。「共に民主党」は、特検対象に大統領室が含まれるため、尹大統領も捜査対象という立場だ。

「共に民主党」主導で昨年10月にファストトラック(迅速処理案件)に指定されたチェ上兵特検法は、先月2日に本会議に自動付議された。特検法は同日、在席168人全員の賛成で議決された。「国民の力」では、金雄(キム・ウン)議員を除く全員が採決前に本会議場を退場した。金氏は特検法に賛成票を投じた。

同日午前まで、チェ上兵特検法の本会議上程は不透明だった。金振杓(キム・ジンピョク)国会議長が、チェ上兵特検法の上程を要求する「共に民主党」に与党との合意を求める立場を固守したからだ。しかし、最終的な意見調整のために本会議直前に招集された与野党院内代表会合さえも空転すると、金議長も最終的に「共に民主党」の手を取った。

「共に民主党」の洪翼杓(ホン・イクピョ)院内代表は本会議に先立ち、同日午前、「今日(2日)チェ上兵特検法を処理しなければ、もし(尹大統領が)再議を要求しても27、28日に再議決して第21代国会で終わらせることができる」と述べた。尹大統領の再議要求権(拒否権)行使と再議決を考慮すると、同日に必ず特検法を処理しなければならないという主張だ。

「国民の力」の尹在玉(ユン・ジェオク)院内代表は、本会議直後、国会本庁のロテンダーホールで、「立法暴走糾弾大会」を開き、「野党院内代表が与党院内代表を欺き、国会議長は民主党とぐるになって立法暴走をした」とし、「国会暴挙を受け、第21代の最後まですべての国会議事日程に協力することはできない」と述べた。そして、「立法過程と法案の内容を見ると、(尹大統領に)再議決要求権を提案するしかない」と主張した。

大統領室は、チェ上兵特検法が政府に送られれば、拒否権を行使するかどうか決定するという立場だ。尹大統領がチェ上兵特検法に拒否権を行使すれば、就任後10回目の拒否権となる。大統領室内部では、特検法が施行される場合、尹大統領または大統領室の核心参謀まで捜査対象になる可能性があるため、拒否権は避けられないというムードだ。ただ、与党の総選挙の大敗から1ヵ月余りで再び拒否権を行使することも、尹大統領にとって政治的な負担であるため、尹大統領の悩みは大きくなるとみられる。

同日の本会議では、前日与野党が合意した梨泰院(イテウォン)惨事特別法修正案も、在席259人中、賛成256人、棄権3人で可決された。2月に「共に民主党」主導で本会議に付されたチョンセ詐欺特別法も、出席者269人のうち賛成176人、反対90人、棄権2人で本会議の付議が確定した。


姜聲煇 yolo@donga.com