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「脱出だ!」 70人を救った乗客2人の叫び

「脱出だ!」 70人を救った乗客2人の叫び

Posted May. 06, 2014 08:15,   

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セウォル号が沈没する瞬間、一部乗客の「脱出するんだ」という叫びが他の乗客に伝わって、70人あまりが命を救うことができた事が、生存者の証言を通じて分かった。

先月16日午前10時15分、セウォル号の船体が110度以上傾いて床と天井、左と右が入れ替わり、乗客は方向感覚を失って戸惑っていた。3階の床と天井がひっくり返った船体に海水が瞬時に流入した時、案内デスクにいたハン・スンソクさん(37=貨物技師、済州)ら乗客2名(残り1人は未確認)が先に「脱出するんだ!」と大声で叫んだ。5日、本紙のインタビューに応じたハンさんは、「周りを見回したら、左側(右側の誤認)の高さ3メートル、幅2メートル大の出入り口が大きく開いていたので、脱出するんだと叫んだ」と話した。

乗客は脱出開始直後、足が水に浸かった状態で出入り口を抜け出した。しかし、水が急速に流入して出入り口が浸かる状況になった。カン・ビョンギさん(41=京畿道始興市、自営業)は脱出するように叫びながら、生徒10人を水に潜るように背中を押した。パク某さん(16=檀園高2年生)は、「3階の廊下に水が入ってきた瞬間、大人たちの話を聞いて潜水したが、5秒ぐらい経ったら光が見えた」と話した。

3階と4階はホール形のオープン空間だったので、「脱出するんだ」という一言の叫びは4階にも伝わった。4階の乗客約30人も開いた出入り口へ潜水して脱出し、船体の外へ噴出した海水が役立った。カンさんは、「出入り口が殆ど水に浸かったためこれ以上救助できずに船室を抜け出た。残りの生徒を救助できなかったことが、まだまだ悲しい」と嘆いた。

3、4階から潜水で船体を抜け出そうとした乗客の手をつかんだ手があった。ヘリで初救助された当時、3階の船室の檀園高の生徒を消防ホースで引き上げたキム・ドンスさん(50=貨物技師、済州道)とキム・ソンムクさん(37=会社員、仁川)だ。二人は約40分間欄干にとどまって、最後に潜水で脱出する檀園高の生徒の手をつかんだ。

ハン氏さんが叫んだ「脱出しよう」という一言で叶った約3分間の潜水脱出で乗客70人(檀園高の生徒は50人と推定)が最後に救助された。