「車が丈夫だね」
第7世代のソナタ「LFソナタ」の公開を控え、京畿華城市長徳洞(キョンギ・ファソンシ・チャンドクドン)の現代・起亜(ヒョンデ・ギア)自動車のナムヤン研究所を訪れた現代自動車グループの鄭夢九(チョン・モング)会長が、車の試乗後に投げつけた一言だ。11年から開発に打ち込んできた研究チームの表情が明るくなった。
同日、鄭会長は、研究所でLFソナタのライバルモデルといわれているトヨタの「カムリ」も比較のため試乗した。鄭会長は、開発過程についてリアルタイムで報告を受けるほど、「国民セダン」といわれているソナタに関心が多かった。発売11日後の3日現在、LFソナタの契約台数は1万8000台あまり。スタートは順調だ。
●週3、4日は研究所に寝泊り
総投資費が4500億ウォンの「LFプロジェクト」が始まったのは11年6月初頭。現代車の黃貞烈(ファン・ジョンリョル)中大型PMセンター長(常務)をはじめ、研究所や本社、海外営業部門の室長級以上が集まった。
話題はドイツの車だった。1日、ナムヤン研究所で会った黄常務は、「ミーティングの出席者らは、『現代車がドイツのプレミアムメーカー各社と競合した時、数値では表せない物足りなさがある』ということに共感した」とし、「『欧州車とは同等以上の車、プレミアムファリーカー』を至上課題に据えた」と話した。LFソナタの開発チームは、シャシ(自動車の基本骨格を成す車の台)から変えた。前輪駆動の中型セダンのフォルクスワーゲンの「パサート」、トヨタの「カムリ」、ホンダの「アコード」、日産の「アルティマ」を全て分解して分析した。開発の最後の段階では、週3、4日は、研究所に寝泊りしながら過ごした。
●「化粧が行き届いていなくても素敵な車」
LFソナタが、前作の「YFソナタ」に比べ、目立って変わっているのはデザインだ。黄常務は、「YFソナタが、『周りに素敵に映るために一所懸命に化粧した車』なら、LFは、『化粧が行き届いていなくても、素敵な車』」だと紹介した。
現代デザイン室の周炳𨩱(チュ・ビョンチョル)取締役は、「YFデザインを巡る好き嫌いが分かれているが、現代車の変わったデザインを知らせるきっかけとなった」とし、「今回は、自然の美しさを形象化するという基本哲学を活かしながら、大衆的なセダンを追求した」と説明した。
LFソナタが打ち出しているポイントは、「よく走り、よく回り、よく止まり、安全な車」だ。果たしてそうなのだろうか。走行性能開発室の朴秉一(バク・ビョンイル)取締役は、「時速100キロでブレーキを踏んだ時、完全に止まるまでの制動距離は、YFソナタより約2メートル短い」とし、「ハンドリングも、運転手がステアリングホイールを切る分だけ、車が動くように改善した」と話した。
●アンチの書き込みまで生まれる
批判的なネットユーザー(アンチファン)の苦言が、「薬」となった。黄常務は、「現代車を愛するがために、アンチファンになったはずだと考え、ネット上に掲載されるアンチの書き込みを手帳に移しながら、開発した」とし、「書き込みを読みながら、『基本に立ち返ろう』と思った」と伝えた。
そこから生まれたのが安全性だった。安全性能開発室の車錫柱(チャ・ソクジュ)取締役は、「家族が乗る車だけに、いかなる状況でも保護を受けられることが大切だった」と振り返った。燃費動力開発室の全濟錄(チョン・ジェロク)取締役は、「安全性強化のため、超高張力鋼板を、従来モデルより2.4倍もさらに使ったため、重さが45キロも増えたが、燃費を1リットル当たり0.2キロ改善した」と説明した。ソナタの公認燃費は1リットル当たり12.1キロだ。
昨年8月、アバンテのエンジンリームに水が入るという指摘が出てくると、ソナタの開発チームは、超強力なホースで、ソナタのボンネットや前ガラスに水を浴びせかけながら実験を行った。水は、両隣のほうに流れ落ちた。
国内市場で、LFソナタのライバル車種は、パサートやカムリだ。黄常務は、「LFソナタ2.4リットルのモデル価格は2395万ウォンだが、パサート2.5リットル級が3810万ウォン、カムリ2.5リットル級が3350万ウォンだ」とし、「パサートより室内スペースが広く、骨格もよいが、価格は1415万ウォンが安い」と強調した。LFソナタの開発を終えた黄常務は最近、年内に発売される準大型新車「AGプロジェクト」などのため、てんてこ舞いの状態だ。同日、ナムヤン研究所には、偽装幕などで隠した「ソレントR」など、今年中に発売される複数の新車が、走行路を走り回っていた。






