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「中小企業に訴訟なんか」 弱者に狙いを変えたブラックコンシューマー

「中小企業に訴訟なんか」 弱者に狙いを変えたブラックコンシューマー

Posted March. 04, 2014 03:00,   

「包丁を手にしていなかっただけで、強盗も同然でしょう。なりふり構わず大声で叫び、あらゆる脅迫をしてくるのに、誰が太刀打ちできるもんですかね」

先月、中小衣類メーカーの売場を訪れた50代女性のA氏は、最初から声を荒げた。「こんな服を売るから、中小企業なのよ」と、買い物バックを投げつけるかのように、レジの上にたたきつけた。買い物バックのなかには、所々毛玉のできた冬物コートが入っていた。今は、店頭に並べられてさえいない3年前の商品だった。交換や払い戻しは、購入後10日以内に可能であるという規定を説明しても、聞こうとしなかった。彼女は、「中小企業のせいか、サービスがめちゃくちゃだ。お金で返してもらえないなら、ネット上に書き込む」と脅した。その会社は結局、お金を返さざるを得なかった。

企業から金銭的利益などを手にするために、日常的に悪質な苦情を寄せている「ブラックコンシューマー」が、中小企業に詰め掛けている。ブラックコンシューマーが社会的問題に浮上し、大手企業各社が、苦情の手口を分析し、職員らを教育し、ブラックコンシューマー専従人員を配置するなど、反撃に乗り出すと、今度は割合対応策が決まっていない中小企業に目を向けているのだ。

中小企業製品専用売場のソウル陽川区木洞(ヤンチョング・モクドン)のヘンボクハンデパートの苦情相談室は最近、週2、3件も寄せられている悪質な苦情に苦しんでいる。昨年までは、月平均1、2件だったものが、最近、急増している。同デパートの関係者は、「品質保証期間が切れたり、使った跡がはっきりしている製品を、金で返せとか、外部の消費者団体で問題ないと結論付けた商品でも、無理やりに抗議する悪質な苦情が増えている」とし、「中小企業各社は、『親切な応対』のほか、対応マニュアルがおらず、さらに悪質的に食い下がっているような気がする」と話した。

中小企業は割合ブランドの知名度が低く、否定的なネット上の書き込みやソーシャルネットワークサービス(SNS)に掲載される書き込み一つでも、打撃を受けかねない。また、企業の規模が小さく、ブラックコンシューマー専従人員を置くことも難しい上、その大半が口コミマーケティングに頼っており、ブラックコンシューマーからの脅迫にはより一層脆弱といえる。

グリーン消費者連帯のイ・ジュフン局長は、「1、2件の悪質な苦情を解決しようと数ヵ月も時間を浪費し、法的に潔白さが明らかになっても、その間に中小企業のイメージは傷つくことになる」とし、「中小企業は大企業に比べ、対応能力が落ちる上、悪質な苦情に積極的な対応をするよりは、できれば穏便に処理をしようとする傾向が強いことを、ブラックコンシューマーらが分かっている」と指摘した。

国内中小企業の多くは、ブラックコンシューマーの悪質な苦情に、これと言った対策を立てられずにいる。大韓商工会議所が昨年、ブラックコンシューマーの不当な要求を経験した中小企業203社を対象に調査した結果、83.7%が、「悪質な苦情をそのまま受け入れている」と答えた。「法的対応を通じて、積極的に対応する」(14.3%)に比べ、5倍以上も高い数値だ。被害が増えても、悪質な苦情をそのまま受け入れざるを得ない理由は、「企業イメージのダメージ」(90%)のためという回答が最も多かった。

専門家らは、中小企業各社が共同で、常習的なブラックコンシューマーに関するデーターベース(DB)を構築し、共同の対応策をまとめることが急務だと指摘している。建国(コングク)大学消費者情報学科の李承信(イ・スンシン)教授は、「最近、ブラックコンシューマーらは、オンライン上のコミュニティなどで会って、組織的に活動したり、手口を共有するなど、巧みになっている」とし、「中小企業各社は、常習的なブラックコンシューマーの情報や行動類型による対応策をまとめ、共有する必要がある」と話した。