最近幕を上げたミュージカル「ゴースト」は、1990年に上映された映画「ゴースト」が原作だ。強盗に銃で撃たれて急死したサムは、「死ぬ準備ができていない」と絶叫する。これを見ていた別の魂は、「皆そう言う」と答える。そうだ。万全の準備をして死を迎える人がどれだけいるだろうか。死と向き合う時、息をしているこの瞬間の意味をはじめて悟ることになる。
◆インディアンは、人が死ねばこの世のあちこちに留まると信じた。梨花(イファ)女子大学経営学科の金孝根(キム・ヒョグン)教授が作曲した「魂が風なって(A Thousand Winds)」は、このような内容のインディアンの口伝詩に曲をつけた歌だ。「そこで泣かないでください/そこに私はいません 眠ってなんかいません/…(中略)…/私は千の風になって/きらめく雪になって/実りの陽の光になって/秋の雨になって(後略)」。愛する人が逝っても、姿を変えて自分のそばにいると信じることは大きな慰めになる。
◆楽園を求めてタヒチに向かったゴーギャンは、病苦と貧困で苦しい日々を送る。ある日、娘が亡くなったという知らせを受ける。ゴーギャンは娘を大変愛した。苦しんだ末に自殺を図ったが失敗すると、ゴーギャンは死ぬ前に生涯の力作を描くことを決心した。こうして誕生した作品が「われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか」という長いタイトルの大作だ。幅が4メートルにもなる傑作に思わず息をのむ。生と死に対するゴーギャンのすさまじい苦悩が伝わるからだ。
◆イタリアのオペラ巨匠ヴェルディは、悲劇的な作品を主に作った。ところが彼の最後の作品は愉快なオペラ「ファルスタッフ」だ。「ファルスタッフ」は年を取り太っているが、自分を魅力的だと思い、町の女性を誘惑する。そして女性からひどい目にあい、騒動が起こる。ヴェルディは80才で作った最後の作品を通じて人生は悲劇ではなく楽しい騒動だと言いたかったのだろうか。人間は死が近づいた時、正直になるのかもしれない。
孫曉林(ソン・ヒョリム)経済部記者 aryssong@donga.com






