ソウルフローラ(Soul Flora)。「花や春の女神・フローラの精霊」という意味で、漢江(ハンガン)・盤浦(バンポ)橋の隣に、セビッドゥンドゥン島に最初につけた名前だ。吳世勳(オ・セフン)前ソウル市長が、ここに人工の島を作ると最初に発表した07年は、ただのフローティングアイルランドと呼ばれた。浮いている島という平凡極まりない名前だ。その翌年、設計案が確定し、ソウルフローがという名がつけられた。形も、「花の種、花のつぼみ、満開の花」の形の3つの島へと確定された。事業者の名前も、ソウルフローがコンソーシアムに決まった。
◆10年、主要20ヵ国(G20)首脳会議のソウルでの誘致が確定すると、呉前市長は、首脳会議をこの島で開催したがった。「ここほど、『漢江の奇跡』をうまくPRできる空間などない」という名分を打ち出したが、自分が主導した漢江ルネサンスやデザインソウル政策を自慢したいという気もあっただろう。しかし、G20準備委は、「首脳会談の場所は、物理的儀礼やセキュリティ、警護が最も重要だが、人工の島は、狭すぎる」として、「不可」の決定を下した。実際、G20会議が行われたコエックスは、展示スペースだけでも3万6000平方メートルであり、この島の第1島(4700平方メートル)とは比べ物にならないほど広い。
◆純粋なハングル名のセビッドゥンドゥン島へと改名したのは、完成後、市民に初めて公開した11年のことだった。セビッとは、光の三原色である赤や青、緑を意味し、多様性や調和、和合を象徴している。しかし、「新しい光」という意味のセビと思っている人たちが多く、ひどい場合は、メディアなどでも、「セビドゥンドゥン島」という誤記も頻繁に目に付いている。
◆現実においても、島は和合ではなく、対立要因となっていた。現職市長の「前職消し」の主なターゲットになったのだ。朴元淳(バク・ウォンスン)市長は、就任直後に特別監査を実施し、「総体的にずさんな事業」という烙印を押した。にらまれた結果、構造物は2年4ヵ月間放置され、都市の負の遺産に変わっていった。建設費1390億ウォンは、毎月6億ウォンの金融費用を発生させた。しかし、「わざわざ作っておいた構造物を放置している」という批判が日々高まり、ソウル市は結局、一昨日、この島を活用すると明らかにした。セビッドゥンドゥン島の復活をきっかけに、市政が「セビッ(三色)」の精神を取り戻すことができるかどうか気になる。
虚承虎(ホ・スンホ)論説委員 tigera@donga.com






