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米大リーグ最高のクローザーの最後のオールスター戦

米大リーグ最高のクローザーの最後のオールスター戦

Posted July. 18, 2013 03:37,   

ヘビーメタルバンド、メタリカの「エンター・サンドマン(Entersandman)」が17日(韓国時間)、米大リーグ・ニューヨーク・メッツのホーム救場・シティーフィールドに鳴り響いた。オールスター戦を訪れた4万5186人とオールスター先発選手皆が、人生最後のオールスター戦のマウンドに立つサンドマン(眠りの精)を迎えた。今シーズンを最後に引退を宣言したサンドマンは8回を三者凡打で塞いだ。再び起立拍手が送られた。

試合後、大リーグのファンは、「サンドマン」マリアノ・リベラ(44、ニューヨーク・ヤンキース)をオールスター戦最優秀選手(MVP)に選んだ、バド・セリグ大リーグ・コミッショナーはMVPのトロフィーを授賞する際、「リベラと知り合ったのは特権(privilege)だった」と話した。しかし、リベラの野球人生には特権より偶然の方が多かった。

ヤンキースだけで19年を過ごしたリベラはパナマ出身だ。パナマは野球よりサッカーの人気が高い国だ。リベラは子どもの時、足首を怪我してサッカーができなくなり、野球をするようになった。投手になったのも、肩だけが良い遊撃手という評価のためだった。

投手としてもぱっとせず、1995年、ヤンキースは彼をシンシナティ・レッズへトレードしようとしたが、断られた。もし、彼がトレードされていたら、チーム先輩のジョン・ウェットランドに持ち味の「カット・ファスト・ボール(カッター)」を伝授されることもなかったはずだ。

今年、引退することになったのも偶然だ。リベラは昨シーズンが終わった後、引退すると宣言した。しかし、5月の訪問試合を控えて、膝を怪我した。試合前の練習の時、外野へ飛んでくるボールを取ろうとしてフェンスにぶつかったためだ。既に大リーグ通算最多セーブ(608セーブ)記録を立てたリベラが、計画通り引退してもおかしくないほど大きな怪我だった。しかし、リベラは「選手生活をこんな形で終えるクローザーになりたくない」と、手術とリハビリを経て今年復帰した。そして、今シーズン前半だけで30セーブ(リーグ2位)を記録した。

クローザーは選手生命の短いポジションだ。ヤンキースのクローザーなら、さらにそうであろう。不振は解雇につながる。リベラはそのポストを17年も守り、ワールドシリーズの優勝指輪も5度も手にした。リベラは、「毎年引退を覚悟して投げたため、好投を維持できた」と話した。

ヤンキースのファンは彼の名前のマリアノ(Mariano)を略して彼をモ(Mo)と呼ぶ。名前も呼び終えないうちに試合を終えるという意味だ。しかし、昨年のその不意の負傷は、「そんなに急いで野球を離れるな」と、野球の神様が彼に、そしてファンに与えたプレゼントではないだろうか。リベラほどそのプレゼントの価値をよく知っている選手はいないはずだから。