「金を稼ぐことができる所に連れていくと思った。中国人に売られたと知った時には逃げる方法がなかった。毎日泣きながら過ごした。3ヵ月ほど過ぎてまた別の所に売られた。ブローカーは、『子どもを産んでいい暮らしをすればいい』とだけ言った。トイレに行くにも監視され、『北朝鮮に送ってほしい』と哀願した。返事の代わりに棒で殴られた」。
30日、「北朝鮮人権改善に向けたソウル国際シンポジウム」が開かれた高麗(コリョ)大学100周年記念館大会議室。脱北女性のパクさん(35)が、2005年に脱北して中国に人身売買に遭った経験を語ると、会議場は静かになった。パクさんは、「10日間1食も食べられなかった生活苦で脱北した。人身売買のブローカーの家で会った北朝鮮女性は7人にのぼる」と話した。脱北女性の多くが自由を得ることなく、人身売買のわなにはまった実状を詳細に語った。
パクさんとともに証言に立った別の脱北女性のイさんも、「脱北当時、ブローカーが毎日2、3人の北朝鮮女性を連れてきた」と話した。イさんは、ブローカーが15才の脱北少女に性的暴行をするのを見て、「けだもの以下だ」と言うと、翌日全身を縛られて車のトランクに乗せられ、北朝鮮に送還された経験も紹介した。
●「国連の北朝鮮人権実態調査、積極的に支援しなければ」
国家人権委員会と高麗大学が共同主催し、東亜(トンア)日報ファジョン平和財団が後援した同日のシンポジウムでは、日々悪化している北朝鮮の人権の実態に対する痛烈な批判と共に対策を求める参加者の声が続いた。政治犯収容所での拷問から国軍捕虜や拉致被害者、脱北者が受ける人権侵害まで広範囲な北朝鮮の人権蹂躙問題が俎上に載せられた。
討論者の柳浩烈(ユ・ホヨル)高麗大学教授は、「金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の脆弱な権力基盤と不安定なリーダーシップ、3度目の核実験以降に強まった軍部強硬派によって、北朝鮮の人権状況はさらに劣悪になるだろう」と指摘した。そして、「今争点になっている開城(ケソン)工業団地問題も重要だが、未来の統一に向けて、より重要な北朝鮮の人権に対する関心が後回しになってはならない」と強調した。法務法人ファウの金泰勲(キム・テフン)弁護士は、「韓国戦争以来最高潮に達した韓半島危機の本質が、北朝鮮体制の反人権性に始まったことから、人権問題を前面に掲げることが(危機の)真の解決策だ」と強調した。
国連人権理事会が3月に設立を決めた「北朝鮮の人権侵害に関する調査委員会」(COI)の支援の必要性についても話し合われた。韓国は北朝鮮人権問題の直接の利害当事者であるため、国連のCOI活動を積極的に支援しなければならないということだ。尹汝常(ユン・ヨサン)北朝鮮人権記録保存所長は、「国連を中心に北朝鮮人権への関心と介入の意志が拡大・再生産されている。にもかかわらず朴槿恵(パク・クンヘ)政府は歴代政府との画期的な差別化を示せず、国際社会が牽引する動きに引きずられる状況にある」と指摘した。
さらに、専門家たちは、まだ国会を通過できずにいる北朝鮮人権法の早急な処理を求めた。脱北者出身の趙明哲(チョ・ミョンチョル)セヌリ党議員は、「北朝鮮住民の暮らしは苦しく、改善の要求は切迫しているが、韓国はまだ北朝鮮人権法を処理することができずにいる。ドイツのナチスよりひどい『人権無法地帯』に対して、韓国はどのように行動に出ているのか」と主張した。趙議員は感情が込み上げたのか言葉をつまらせた。
●「飢えも早急に解決すべき人権侵害」
飢餓や栄養失調、病気などの社会的権利の侵害問題を人権の観点から見ることで問題提起のレベルを高めようとする試みもあった。北朝鮮政治犯収容所の実状を告発した『北朝鮮、隠された強制収容所』の著者デビッド・ホーク氏は、「国連がCOIに調査を求めた9つの分野の第一が『食糧に対する権利侵害』ということは鼓舞的だ」とし、「解決できる問題であるにもかかわらず、依然として多くの北朝鮮の人々を苦しめている問題だ」と強調した。
慶南(キョンナム)大学の金根植(キム・グンシク)教授は、「北朝鮮に対する人道的支援を拡大する積極的な姿勢が必要だ」とし、「特に保守陣営が先頭に立ってこれを要求するなら、北朝鮮の人権改善に向けた戦略的役割分担の面でも意味があるだろう」と述べた。対北朝鮮支援団体の「わが民族助け合い運動」本部のカン・ヨンシク事務総長も、「人道的な北朝鮮支援は南北間の政治・軍事的状況と結びつけずに持続的に推進しなければならない」とし、「支援するかどうかといった二分法的な論争は止め、具体的な方法について悩まなければならない時だ」と強調した。
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