どんと大きな音を立てて転びながら倒れる。こっけいな表情で再び立ち上がる。舌を精一杯伸ばし、眉をひそめてから眼球が飛び出るほど目を大きく開けたりもする。
ソウル江南区論峴洞(カンナムグ・ノンヒョンドン)のトゥバエンターテインメント企画チームのメンバーらはこのように馬鹿な表情をしながら、体中で働く。人気アニメーションの「ラバー(Lavar)」の主人公の「レッド」と「イエロー」のこっけいな表情とバディーギャグは彼らの頭ではなく体から始まる。「社員らが馬鹿な表情をしていたら、作業中であるという意味です。」
09年シーズン1から参加してきたラバーの「面白担当」3人のメン・ジュゴン監督、カン・ミンソンアーチスト、アン・ビョンウクストーリーチーム長に会った。
KBS1テレビでシーズン2を放映中の国産アニメーション「ラバー」は海外でも人気を集めている。90秒の短い上映時間にセリフ無しに進められるフォーマットで言葉のハードルを無くした。ユーチューブを基盤に口コミで広がって、米国をはじめ欧州、アジアなどの約20カ国とライセンス契約を結んだ。今年の予想売上は100億ウォンだ。
メン監督はラバーの成功要因として「徹底的に笑わせる」という哲学を挙げた。地下で暮らす幼虫2匹が絶えずけんかしながら、スラップスティックの真髄を見せてくれる。手足がなく、顔が体の殆どなので、こっけいな表情演技は作品の生命だ。「顔をゆがめて、表情研究をしていると、顔の筋肉が痛くなる場合もあります。でも、スタイルが崩れるのは怖くはありません」(メン監督)
カンアーチストは面接の時に「笑わせて」採用された。自由な雰囲気なので、アイテム会議時間は別にない。「いたずらをしながら話し合っている間にアイデアが思い浮かぶと、即席で会議をします。『脇の汗』の話が出て話し合ったことをシーズン2のエピソードに反映しました。糞虫の脇から水銃のように発射される汗を避けて、幼虫たちが華麗なバディーギャグを見せながら逃げ出すという内容です」
ラバーは最初から海外市場の進出を念頭に置いて製作された。イエローとレッドが住むところは「ニューヨーク52番街」であり、スパゲッティを食べて卓球をする。韓国人でなければよく知らない玉遊びや面子遊びはやらない。アンチーム長は、「ユーチューブの映像にはアラブ語のレスもつけられる。世界どこの国の人が見ても共感できる作品だという証拠だ」と話す。
しかし、ラバーの底辺には「情」を強調する韓国の情緒が敷かれている。メン監督はスラップスティック・コメディ・アニメーションの元祖と言える「トムとジェリー」を例に挙げて説明した。「トムとジェリーは徹底的に他人ですね。行き過ぎではないかと思われるほど、お互いをいじめ合います。しかし、レッドとイエローは相手が厳しい目に遭ったら、助けに行き、夜はマッチ箱の上で一緒に眠ります。まるで夫婦のようです」
同社は来年封切りを目標に100分の劇場版アニメーションを準備している。「対話無しに長時間のランニングタイムは無理」という指摘が出て、イエローとレッドがしゃべる設定に変えようともした。しかし、企画チームはしゃべる少女キャラクターを登場させる方向へ旋回した。「ラバーが言葉を発してしまうと、これまでのコンセプトは捨てられてしまうんですね。これまで老若男女のたくさんの方々に楽しんでいただいたように、家族と一緒に楽しめるアニメーションに作りたいです」(メン監督)
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