塩分濃度を測定する箸、移動距離をモバイルで共有し、競争させる歩数計、慶尙北道聞慶（キョンサンブクド・ムンギョン）の五味子農業、マンションの上下階間騒音問題の解決策まで…。
朴槿恵（バク・クンへ）政府が重要国政課題として「創造経済」を打ち出していることを受け、政府や地方自治体、企業を問わず流行語のように創造経済をつけまくっている。そうするほど、創造経済の概念は曖昧になり、迷宮に陥ってしまう。
東亜（トンア）日報は、創造経済の概念を明確にし、きちんと創造経済を実現できるよう、コンサルティング会社・ベインアンドカンパニーコリアと共に「創造経済に向かう道」を示す。韓国の現状を診断するため、「東亜・ベインの創造経済指数（ＤＢＣＥ指数＝Dong−A Bain Creative Economy Index）」も作った。
東亜日報とベインアンドカンパニーは、創造経済を、△アイデアを創出し、△これを事業化し、△事業を拡大し、△成功の好循環を作り出す４段階の好循環構造と定義した。各段階で強力な競争力を備え、相互に連携してこそ、創造経済の大国になりうるという意味だ。
ＤＢＣＥ指数は、この４段階を、計３２の重要指標で測定して算出した。３４の経済協力開発機構（ＯＥＣＤ）の加盟国と中国と３５ヵ国を対象に、ＤＢＣＥ指数をつけた結果、韓国は２５位に止まったことが評価の結果分かった。
中国とトルコはそれぞれ２２位と２４位につき、我々よりさらに創造的な国に選ばれた。トップは米国で、政府が創造経済のロールモデルとして示したイスラエルは９位だった。日本は３２位に止まっており、経済先進国こそ創造経済の先進国ではないことを示した。
韓国は特に、創意的アイデアを打ち出すアイデア創出段階で、３１位に止まり、最も脆弱であるという評価を受けた。詰め込み式の教育の影響を受け、自己主導的学習力量が最下位圏に止まったせいだ。創造的な人を「変わり者」と追い詰めて仲間はずれさせる社会的空気も、活発なアイデア創出の足を引っ張っている。成功の好循環も２８位に止まっている。起業成功はもとより、失敗の貴重な経験が社会の資産として受け継がれていないという意味だ。
一方、アイデアの事業化や事業拡大はそれぞれ１９位と１４位の中位圏だった。政府の起業育成制度や大手企業が主導する先端技術の競争力、情報通信技術（ＩＣＴ）インフラなどは、世界最高のレベルに達しているからだ。
韓国の創造経済と関連し、国家代表の選手は世界のトップレベルなのに、一般国民の生活体育のレベルは、みすぼらしいのと同様の状況だという指摘が出ている。専門家らは、「今こそ、創造経済も『選手』ではなく、『土壌』を育むべき時期だ」とし、「創造経済の政策は、先端産業の研究開発（Ｒ＆Ｄ）や特許確保中心に組まれてはならない」と口をそろえた。国民が参加する「想像開発（Ｉ＆Ｄ）」が大衆化されるべきだという声が出ていることも、このためだ。
ベインアンドカンパニーのイ・ヒョクジン・パートナーは、「生態系全体を念頭において、アイデア創出や成功の好循環システムなど、創造経済の実現の水漏れを巡る対策をまとめなければならない」と主張した。
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