「鉄条網のフェンスは、昨年、豆満江(トゥマンガン)が凍りつく直前に設置された。昨年、北朝鮮の住民がたびたび越えて盗みをする事件が起きたからだ」
中国吉林省の中朝国境都市、琿春市。豆満江を挟んで北朝鮮の咸鏡北道(ハムギョンプクト)と向かい合う村のある住民はこのように話した。中国の雑誌「南方人物週刊」は27日付の最新号で、北朝鮮の核実験を機に、琿春、特に豆満江下流地域の住民の生活を紹介した。
同地域は北朝鮮の影響を多く受ける所だ。昨年末、圏河海関から北朝鮮、中国、ロシア3国の国境地域である防川に行く豆満江沿岸の一部地域に、2メートルの高さの鉄条網フェンスが設置された。夜に豆満江を密かに渡って、北朝鮮住民がとうもろこしや牛、羊などを盗むことを阻止するためだ。村の政府は、住民に「夜に誰かがドアを叩いても開けてはならない」と呼びかけた。
脱北者は大幅に減った。中朝政府が脱北者の取り締まりを強化したためだ。ある住民は、「脱北者を妻にすると、隠れて暮らさなければならない。当局に通報すれば、報奨金を受け取ることができ、当事者は重い処罰を受ける」と話した。このため、北朝鮮人の妻をもらうと、引っ越しするか韓国に行くことを考えるという。
琿春は、北朝鮮の羅先(ラソン)特区と50キロ、核実験場がある吉州郡(キルチュグン)とは約200キロ離れているが、核実験による地震の被害も発生した。豆満江沿岸の村の貨物車ドライバーの金満林氏は、「指1本が入るほど壁にひびが入った。町内のほとんどの家や塀にひびが入った」と話した。ここは東北虎(白頭山虎)が出没する。ある住民は、「冬に飢えた虎が村に下りてくる。数年前には女性が1人襲われて死んだ」と話した。
一方、遼寧省丹東と鴨緑江(アプロクカン)を挟んだ北朝鮮の新義州(シンウィジュ)では最近、中国産ビールなど一部の輸入品の品薄現象が起こっているという。丹東のある貿易商は、「新義州に行く中国商人や貨物車ドライバーが好む『鴨緑江ビール』などが手に入りにくくなり、値段が急騰した」と話した。新義州で売られる鴨緑江ビール1本の値段は6人民元(約1000ウォン)だったが、最近は10人民元以上になったという。彼は「通関が厳しくなったためだ」と説明した。
正月以降、丹東海関の北朝鮮に対する通関手続きが強化された。以前は北朝鮮に送る貨物をコンテナに入れておけば、海関側は積荷の書類だけを見て通したが、今は一つ一つ確認している。
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