「タバコを取り上げたのなら、窃盗罪の疑いがあるので、交番に行って調べて見ましょう」。
16日午後5時半ごろ、ソウル冠岳区新林洞(クァンアック・シンリムドン)の塾街で、20代の男性と警察とが、このような会話を交わしながら、押し問答をしていた。女子中学生3人は、その前でからからと笑っていた。
試験準備生のイ某氏(26)は、普段からタバコを吸う青少年を見れば、見過ごすことができなかった。目の前で、タバコの火を消させ、残ったタバコは取り上げた。そのためこれまで取り上げたタバコは200箱を越えている。取り上げたタバコは、集めて周辺の交番に送り、一部は自分で捨てた。イ氏はタバコを吸わない。この日も、女子中学生らがタバコを吸っていたところ、タバコ1箱を取り上げ、自分を罵倒する生徒らから謝罪を受けるため、警察に通報したところだった。
助けてもらえるだろうと思っていたイ氏の期待とは裏腹に、出動した警察は、タバコを取り上げたイ氏を叱った。勝手にタバコを取り上げれば、窃盗罪に抵触しかねないという。「危険にさらされることもありうるので、たしなめたりしないでほしい」という話もした。司法試験を準備しているイ氏は、青少年保護法を取り上げながら、「市民として生徒たちを保護するのは当然のことだ」と立ち向かった。青少年保護法第4条は、「だれでも、青少年保護のため、青少年が有害な環境に接することがないようにすべきである」と定めている。
彼らの押し問答は結局、警察の謝罪で終わった。出動した警察は19日、東亜(トンア)日報記者との電話取材で、「本当にイさんが、タバコを盗もうと思って、そのように接したわけではない」とし、「やや荒っぽい生徒たちから反撃を食らうことがないよう、安全な交番に場所を変えるべきだという趣旨から話しただけだ」と釈明した。
警察の関係者は、「イ氏は利益を手にするために、タバコを取り上げたわけではないので、窃盗罪には当たらない」とし、「もし、青少年の喫煙を目にすれば、厳しくたしなめたり、取り上げたりせず、安全のため、警察に通報したほうがよい」と語った。
jikim@donga.com






