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([オピニオン]郭魯鉉氏の人気取りワークショップ

([オピニオン]郭魯鉉氏の人気取りワークショップ

Posted May. 29, 2012 07:57,   

昨年5月、ソウル市教育庁のホームページには、中学校の化粧室の改善を訴える保護者の意見が投稿された。「トイレがあまりにも不便過ぎるという娘の話を聞いて、関心を持って観察したら、未だにソウル市内にこんなトイレがあるのかと俄然となりました。1日の半分を過ごしている学校のトイレが、一度通り過ぎるだけの高速道路サービスエリアのトイレの100分の1の水準にも及ばない実態に驚くばかりです」。この保護者は、直接撮影した現場の写真を教育庁のホームページに掲載した。

◆化粧室だけだろうか。昨年、ソウル市内にある6354の学校施設のうち909施設が安全面でC等級である「重点管理対象」だったし、31施設がD等級の「災害危険施設」に分類された。13.8%が緊急の保守や再建築が求められる状態だ。ソウル市内の幼稚園と小中高校のうち77.2%が「アスベストが疑われる」施設だという統計もある。アスベストは代表的な発がん物質である。学校では、「21世紀なのに学校施設は1980年代水準だ」という話が聞かれる。老朽化した施設の改善するための予算が毎年策定されていはいるものの、全然足りない。ソウル市内の各学校は、今年の老朽化施設改善事業費として3575億ウォンを要求したが、策定されたのは1073億ウォンだけだった。児童生徒らが求める学校施設を確保するためには、今後も相当の時間がかかりそうだ。

◆今年1月、業務に復帰した郭魯鉉(クァク・ノヒョン)ソウル市教育監が職員らを対象にしたワークショップを、今年に5回も実施したことが議論を呼んでいる。所要予算は1億2834億ウォンで、毎回約2500万ウォンを使ったことになる。郭教育監は、ワークショップで「日頃から問題だと感じていたことを率直に話してほしい」として討議を呼びかけたという。職員たちには表彰もした。業務のために急がれる行事ではなかったようだ。職員たちの歓心を買うための「ばら撒きワークショップ」だったと批判する声も出ている。

◆教育監復帰後、彼の言動には焦りが見られる。市民が懸念している学生人権条例などを押し付けては、人事権を乱用した。自身の政策を美化する映画制作にソウル市教育庁の予算3兆ウォンを注ぎ込んだ。郭教育監の犯罪容疑に対する最高裁の判決は7月に予定されている。今のところ、教育監を辞めさせられる可能性が高い。自分のために、あんなにしてまで精を出しているよりは、劣悪な教育環境を少しでも改善することに精を出していれば、後ろ姿だけでも少しは増しに映ると思うのだが。

洪賛植(ホン・チャンシク)首席論説委員 chansik@donga.com