金寛鎮(キム・グァンジン)国防長官は一昨日、延坪島(ヨンピョンド)海兵隊部隊の軍事対応態勢を点検しながら、「敵が挑発すれば射撃量の10倍まで対応射撃せよ」「天安(チョンアン)艦沈没や延坪島砲撃に対する報復の次元で、完全に屈服するまで報復せよ」と指示した。金長官は昨日、本紙の電話取材に対し、「北朝鮮の挑発を予想しており、確固たる対応能力を備えているから軽挙妄動するな」という警告のメッセージを送ったものだと説明した。
26日は、天安艦沈没から2年になる日だ。あいにくも、この日、ソウルでは核安全保障サミットが開催される。地球村の祭典である2002ワールドカップ大会中に2回目の延坪海戦を引き起こした北朝鮮のことだ。再び挑発の誘惑に陥らないとも限らない。金長官の指示内容も強力だったが、タイミングもドンピシャだった。一線の指揮官と将兵たちは、軍最高責任者の指揮に従って警戒態勢に一寸も抜かりがないようにするべきだ。
「挑発の鼓動」を上げている北朝鮮の最近の動きが尋常でない。金正恩(キム・ジョンウン)氏は、先月26日、延坪島を攻撃した人民軍第4軍団を訪問したのに続き、今月4日には板門店を訪問し、戦争の可能性に触れ、「最大の激動体制の維持」を指示した。平壌では、15万の将兵と住民が参加した大規模の群衆大会が開催され、好戦的な雰囲気を盛り上げている。北朝鮮は、韓国軍部隊に貼り付けられた金正日親子の写真や戦闘スローガンを口実に、李明博大統領と金長官の名指しして「狂犬」「引き裂いて殺そう」などの暴言と威嚇を浴びせた。北朝鮮メディアは、「火の海」「無慈悲な掃討」など挑発的な言動をする軍幹部らの発言を大々的に伝えた。
金正恩氏が権力強化の手段として対南敵対心を煽っているように見えるが、実際に挑発する可能性にも備え化ければならない。北朝鮮は最近、西北島嶼付近での砲射撃訓練を普段より強化した。北朝鮮は2010年8月、西海の北方境界線(NLL)近くで一斉打撃式の射撃訓練を実施してから3ヵ月後に延坪島砲撃を敢行した。
韓国軍は、延坪島と白翎島をはじめ西北島嶼防衛のため、昨年に西北島嶼防衛司令部を創設し、戦力を大幅に強化した。有事には躊躇うことなく力を使ってこそ平和は保たれる。北朝鮮の挑発する癖を直すためには、天安艦や延坪島事件の時のようなだらしのない対応を繰り返してはならない。政府と軍は、北朝鮮が挑発すれば、原点周辺を焦土化するという覚悟で報復に出なければならない。






