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[社説]ジョブズ氏のフロンティア精神が世界を変えた

[社説]ジョブズ氏のフロンティア精神が世界を変えた

Posted October. 07, 2011 03:06,   

すでに生きた伝説だった、アップル創業者で元CEOのスティーブ・ジョブズ氏の空席はあまりにも大きかった。ジョブズ氏が死去した前日の4日、アップルCEOのティム・クック氏が、「iPhone4」の後続モデルである「iPhone4S」を発表したが、製品の革新性とプレゼンテーションで感動に欠け、ジョブズ氏のいないアップルの未来が不安視された。

ジョブズ氏の一生は、ITの歴史そのものだった。20才の時に自宅の車庫で友人のスティーブ・ウォズニアックとともにパソコン(PC)を組み立て、IT業界に足を踏み入れた。ジョブズ氏は、マッキントッシュ、3Dアニメーション、iPod、iPhone、iPadへと連なる革新的な製品で、人類の情報通信文化の地平を変えた。進んでリスクを負い、新たな価値あるものへの創造に全力投球したジョブズ氏こそ、私たちが見習わなければならない企業家精神の表象だ。「私たちはお金のために働いたのではない。世の中を変えるために働いた」と言うアップル草創期のメンバーの言葉通り、ジョブズ氏にはコンピュータで世の中を変えるという遠大なビジョンと情熱、そして限りない努力があった。

ジョブズ氏の成功は、挫折と失敗に屈しない創意的な発想と絶え間ない挑戦の結果だった。人類がコンピュータが何であるかも知らない時代に、PC時代が訪れるという確信を持ち、マッキントッシュをつくった。しかし、マッキントッシュは、ウインドウ運営体制を備えたマイクロソフトに押された。ソフトウェアの重要性に目をつけたジョブズ氏は、テープとCDで音楽を聞いていた時代に音源をダウンロードするシステムを考えつき、「iPod」を発売した。携帯電話と検索機能を合わせた「iPhone」で世の中を「スマート」に変えた。PCでもノートブックでもないタブレットPCで、コンピュータに対する固定観念を変えた。

ジョブズ氏の攻撃的で冷酷な経営方式は論議の的だった。ジョブズ氏は、アップル以外の別の企業の製品をゴミのように扱い、訴訟や悪意のある広報など、あらゆる手段を使って蔑視し、自分と仲の良くない職員は容赦なく解雇した。下請会社の労働者の人権や賃金には関心がなかった。それでもジョブズ氏は、世界で最も創意的な企業家として、革新的な製品で人類全体の福祉と生活の質の向上に貢献した人物として記憶されるだろう。

1日経てば新技術が登場する変化の激しいITの生態系で生き残るには、私たちにもジョブズ氏のような創造と革新のリーダーシップが必要だ。05年、スタンフォード大学卒業式での「渇望せよ。常に愚直に」というジョブズ氏の言葉は、ITの預言者であり悪童のジョブズ氏が人類に残した告別の辞だった。