08年のグローバル金融危機後3年ぶりに世界経済が再び低迷局面に入り、グローバル経済政策は軒並み、物価抑制から成長へと「Uターン」している。景気低迷の震源地である米国は大規模な景気刺激策を打ち出し、欧州はもとより、新興諸国までが基準金利を据え置き、財政・通貨緊縮政策から脱している。
しかし、このような努力にも関わらず、低迷のどん底に落ち始めている世界経済を救うのは容易なことではないという見方が多い。先進諸国の景気刺激カードが底を突いている上、早くも「為替相場を巡る対立」の戦雲が高まり、国際協力の足かせとなっているからだ。景気減速や物価高騰というダブルパンチで苦しんでいる韓国も同様に、成長や物価を巡り、ジレンマが激しくなる見通しだ。
●グローバル経済政策、再び成長に
8日(以下、現地時間)、欧州中央銀行(ECB)は定例の通貨政策会議を開き、基準金利を現在の1.5%に据え置くことを決めた。物価上昇への圧力が高まったことを受け、金利引き上げの基調を維持してきたECBが、2ヵ月連続して金利を据え置き、通貨緊縮基調から一歩下がったのだ。
昨年まで、金利引き上げに乗り出した新興諸国も、基準金利を据え置いたり、金利引き下げに乗り出したりしている。資源輸出で膨大な資金が流れ込み、物価不安に苦しんでいたオーストラリアは6日、金利を据え置き、物価が7%に迫るブラジルは1日、23ヵ月ぶりに金利引き下げに踏み切った。米国は8日、バラク・オバマ米大統領が計4470億ドル規模の雇用法案を提案した中、今月20日と21日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)も、大々的な景気刺激策を打ち出す予定だ。
世界各国が経済政策を、物価抑制から成長に切り替えたのは、グローバル経済が事実上、景気低迷の局面に差し掛かっているという判断のためだ。最近、経済協力開発機構(OECD)は、5月の景気予測を見直し、米国の第4四半期の経済成長率を3.0%から0.4%へと大幅に引き下げた。日本やフランス、英国も第4四半期は0‾0.3%の成長に止まって「ゼロ成長」に下がり、ドイツは第4四半期はマイナス1.4%に後退すると見込んだ。
先進諸国を中心に、景気刺激に向けた協力の動きも本格化している。国際協力の第一歩は9日、フランスが開かれる主要7ヵ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議がスタートを切る。23日は、米ワシントンで、国際通貨基金(IMF)・年次総会や主要20ヵ国(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれる。これらの会議では、景気刺激に向け、通貨政策と共に財政緊縮のテンポを調整する案が出るものと見られる。
特に米国や欧州が深刻な財政危機に見舞われており、先進諸国は、グローバル景気刺激の負担を、中国などの新興国に転嫁するものと見られる。ティモシー・ガイトナー米財務長官が8日、「中国は内需強化や人民元切り上げに乗り出すべきだ」と主張したのも、同様の線上での発言である。
しかし、新興国も同様に、自国の事情が芳しくなく、国際協力が成功する可能性は高くないという悲観論がより多い。中国は3ヵ月間連続して6%台の物価高が続いており、実体経済指標すら期待値を下回っている。さらに、最近、スイスや日本は積極的な為替防御に乗り出しており、新興諸国が先進国の景気刺激に向け、通貨を切り上げさせるどころか、競争的な通貨切り下げにより、為替相場を巡り対立が深刻化しかねないという懸念も高まっている。
●ジレンマに陥った韓国経済
グローバル景気刺激を巡る動きが本格化し、韓国に対する国際社会の圧力も強まるものと見られる。韓国は、国家債務比率が、国内総生産(GDP)比35.1%と、OECD平均(102.5%)より大幅に低く、景気刺激の余力があるという評価を受けている。3ヵ月間連続して、基準金利を据え置くなど、物価抑制に重きを置いた政府や韓国銀行の空気も、最近変化している。
しかし韓国も、積極的に国際協力に参加し、景気刺激に乗り出すのは難しいのが現状だ。政府は9月から、物価上昇率が下落するものと見ているが、年間物価上昇率目標4.0%の達成可能性は次第に下がっている。
特に、李明博(イ・ミョンバク)大統領は財政健全性を、政権後半の主要国政と位置づけており、なまじっか、景気刺激に向けた財政拡大政策を打ち出すのも難しい。成長のためには、国際協力に参加し、景気刺激に乗り出さなければならないが、物価安定や財政健全性のためには、緊縮基調を保たなければならないというジレンマに陥っているのだ。
現代(ヒョンデ)経済研究院のイム・ヒジョン研究委員は、「9月から、物価が下落するものと見られるが、政府目標である年間4.0%の達成は難しいだろう」とし、「景気刺激に向けた国際協力が本格化すれば、成長と物価との間で、政府の悩みは深まるだろう」と主張した。
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