噂の飲食店には共通点がある。メニューが一つだけだったり、一つの分野だけに拘ること。料理人1人が韓国食や日本食、中華料理など、様々な料理を作ることになれば、味が落ちやすいからだ。最近、企業経営のトレンドも同様の傾向を見せている。「一丸になれば生き延びるし、ばらばらになれば死ぬ」時代は過ぎ去った。規模拡大に注力していた企業各社が、いまや、「分社化」を通じた選択と集中にターゲットを絞り始めている。
今年5月、SKテレコムは、モバイル通信部門を除くほかの事業を、子会社として分ける計画を発表した。すでに相当成長を遂げ、保守的傾向を見せている通信事業と、創造的なチャレンジが求められるフラットフォーム事業とを分離し、より多くの収益を作り出すという狙いだ。フラットフォーム事業は、車向けカーナビサービスの「Tマップ」、スマートフォンのアプリケーションストア「Tストア」など、成長可能性の高いのサービス分野だ。SKテレコム側は、「次世代成長エンジンの競争力を高めるための特段措置だ」と説明した。
これに先立って、SKイノベーション(旧SKエネルギー)も分社化した経験がある。一丸となって、あれこれに手をつけるよりは、石油事業は子会社のSKエネルギーが引き受け、化学事業はSK総合化学が、潤滑油はSKルブリカンツが担当するやり方だ。上辺だけみても、各社の性格がよく現れている。SKグループ側は、「各事業の専門性を強化し、意思決定スピードを高めるために分社化を実施する」と明らかにした。
各企業が競争力を高める手段として、分社化を行っているわけだ。ユジン投資証券の金ジャンファン研究員は、「一企業に様々な分野があれば、限られた財源をどの事業部門に投資するかを巡り、別途議論することも容易ではなく、積極的に分社化に踏み切ることになる」と説明した。
新世界(シンセゲ)も同様に今年、デパート事業部門と大手スーパーのイーマート部分とに分社化した。デパートと大手スーパーは同様の流通企業にように見受けられるが、、デパートは高級化戦略を、大手スーパーは大衆的な低価格戦略を取っていることから、異なっている。分社化してからは目標もはっきりしている。実際、選択と集中によって、相当成果を上げている企業も多い。
LG化学は01年、LG化学とLG生活健康、LG生命科学へと分社化した。09年は再び、LGハウシスを分社化した。分社化後、全体純利益は8倍、営業利益や売上高はそれぞれ6倍と5倍が増えた。分社化前のLG化学は時価総額は、計1兆2397億ウォンだったが、分社化後は、LG化学などの4社の時価総額の合計は計43兆1739億ウォン(今年5月基準)へと増えた。LG化学側は、「分社化を通じた選択と集中こそ、企業価値上昇の最大要因だった」と主張した。
LGグループも同様に、持株会社に転換し、電線分野のLG電線と機械事業分野のLSエムトロンとに分けた。これを通じ、責任経営や効率的意思決定が可能になったというのが、業界の説明だ。KB投資証券の李インジェ研究員は、「分社化の結果、個別最高経営者(CEO)が、一段と責任経営を行うようになった。企業分割後、コスト管理をより徹底にすることになり、今後の次世代事業の模索にもより積極的に取り掛かることになった」と語った。
とはいえ、企業分割がすなわち、成功を保障するわけではないという見方もある。三星(サムスン)経済研究所の金宗年(キム・ジョンニョン)首席研究員は、「分社化したからといっておのずと成長するわけではなく、分けた分野に集中投資し、絶えず革新に取り掛かってこそ、企業分割戦略が光を放つことになるだろう」と指摘した。
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