前例のない金融電算事故が起きた農協への利用客の不満が沸騰している。特に電算システムの障害によって被害を被った利用客の間では、「何日間も自分のお金が使えない」と訴訟を準備する動きまで見られている。
15日、農協によると、金融電算事故以来、各営業店などを通じて被害顧客センターに受け付けられた利用客補償要求件数は、同日正午現在676件。しかしこれは手数料の発生や貸付利子の延滞など、立証が簡単な被害だけを数えた数値だ。これまで受け付けられた様々な苦情や相談の件数は数え切れないほど多い。
農協中央会の崔円炳(チェ・ウォンビョン)会長は14日、国民に対してお詫びし「経済的被害を受けたお客様への補償に最善を尽くす」と約束した。しかし、被害の立証が難しい利用客への補償については触れておらず、補償を巡る難航が予想される。公共料金や貸出利子の支払いが間に合わず生じた延滞被害は、利用客本人の確認で立証できる。しかし、必要なときにお金を引き出せなかったり、振り込めなかったことで、株式やマンションを売買できなかった場合には被害の立証が簡単ではない。
ある利用客は、「パソコンを買うため龍山(ヨンサン)電気街まで足を運んだが、カードが使えず購買を諦めて帰ってくるしかなかった。生活費も下ろせず、友達からお金を借りた」と話した。そして「自分のお金が下ろせない不便をどう立証すれば補償してもらえるのか」と不満をぶつけた。被害を受けた利用客らは現在、「NAVER」や「DAUM」などポータルサイトで「農協金融取引被害者コミュニティ」を開設して被害事例を収集し、訴訟に対する意見をまとめるなど、対策を話し合っている。利用客と農協間の法廷争いの可能性が高まっている状況だ。
電算システムの障害から15日で4日目になるが、農協の金融電算網はまだ完全復旧できていない。銀行の2大金融サービスの一つである貸出も再開できないままだ。新規貸出の申請から審査、実行や貸出の延期など、貸出に関する全ての業務が正常化していない。農協の関係者は「与信取引に伴うデータの規模が大きいため、まだほとんどの支店で貸出取引が正常化していない」とし、「早急な正常化を目指し、復旧作業を進めている」と述べた。
また同日午前8時半頃から、クレジットカードの現金サービスやデビッドカードの取引が再開したが、システムがまだ不安定な中で利用客の取引が集中し、午前中「不都合」が続いた。クレジットカードで約10回試みてやっと預金が引き出せるという不安な状況が午前中続いた。
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