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韓EUと韓米FTA、随所に暗礁 上半期の国会批准が不透明に

韓EUと韓米FTA、随所に暗礁 上半期の国会批准が不透明に

Posted March. 18, 2011 09:18,   

政府は今年上半期を目標に推進した韓米、韓・欧州連合(EU)自由貿易協定(FTA)の国会批准が、意外の暗礁に乗り上げて揺らいでいる。韓国語バージョンの翻訳ミス、監査請求のような予想外のトラブルが相次いで発生した上、韓米FTAも米国議会で政治ゲームに振り回されていることを受け、外交通商部が困惑を隠せずにいる。

2つのFTAを上半期中に批准し、関連国内法を改正した後、下半期の発効を目指していた政府の計画を、見直さなければならないという悲観的な見通しまで出ている。

●韓・EUのFTA批准、楽観したのだが…

当初政府は、韓米FTAとは違い、韓・EUのFTA批准同意案は、比較的スムーズに国会のハードルを越えると見ていた。韓米と韓・EUのFTA批准の順序をめぐり、同時処理と逐次処理を秤にかけていた政府と与党が、「韓・EUのFTAの批准が先」の方針を決めたのも、相対的に容易な宿題を先に済ますという思惑のためだった。「点でもコンマでも変えない」とした立場を覆し、米国と追加交渉まで行った韓米FTAと違い、韓・EUのFTAは、「野党の立場では反対するネタが無さすぎて悩むだろう」という言葉が出るほど、議論の余地がなかった。

しかし、政府は予期できなかった事に足を引っ張られた。宋基昊(ソン・ギホ)通商専門弁護士が、実務レベルで韓・EUのFTAの韓国語バージョンを読んだところ、原産地規定で英文のオリジナルの「50%」が、韓国語翻訳では「40%」と「20%」に間違えて翻訳されていることを発見し、あるインターネットマスコミに寄稿したため。政府は翻訳ミスの議論が起き始めた初日、国会でとりあえず批准を済ませば、追ってEUとの実務協議を通じ、間違った部分を直すという立場を示した。しかし、オリジナルには入ってもいない文句が翻訳本には入っていたり、意訳のレベルを越えて、誤訳の余地のある表現が多数含まれるなど、追加ミスが引き続き発見され、結局、従来の批准同意案を撤回し、新しい批准同意案を再度提出する「騒ぎ」が起こった。外交部への信頼に大きな傷ができたわけだ。

翻訳ミスの問題がまだ静まっていないうちに、今度は法曹界で別の問題を提起した。民主社会のための弁護士会(民弁)は16日、記者会見を開き、「韓—EUFTA協議の過程で、金宗フン(キム・ジョンフン)本部長が暫定発効時点を7月1日に、EU側と口頭で合意したのは、国会の条約審査権を侵害した」として、監査院に監査請求すると発表した。実際、外交部が姜基甲(カン・ギガプ)民主労働党議員に提出した資料によると、「両国(韓国とEU)は、立法部の同意手続きの完了を前提に、韓・EUFTAの11年7月1日の暫定発効推進を口頭で合意した」となっているが、金本部長か外交部が、国会にこの事実を予め報告したり、事前同意を得たことがないので、条約批准の有無と、時期を決定する今回の権限が、明らかに侵害されたということだ。

外交部は、「発効時期を合意したのは、交渉過程の便宜のためで、国会の批准を前提にした約束に過ぎず、拘束力もないので、民弁の主張が行過ぎている」と反論した。しかし、民弁は行政府の公務員がいかなる形であれ、他の国と批准の時期に合意したのは、明らかな憲法違反だという立場だ。

●米が「押売り」、韓米FTA漂流か

韓米FTAはさらに状況が悪い。政府は07年韓米FTA最初妥結の当時、米国より先に、韓米FTAを批准したところ、米議会が批准の手続きさえ踏まないまま、数々の追加要求をしてきた痛い経験がある。このため、今度は米議会での批准の手続きが先に進められるのを見てから、国会で批准を始めるという方針を公然と明らかにしてきた。しかし、米共和党と民主党の指導部が、韓米FTAと米・パナマ、米・コロンビアFTAを、一緒に処理すべきという主張し、事がこじれ始めた。米政府は、労働条件の改善など、懸案が残っているコロンビアとパナマとのFTAには消極的である反面、共和党と民主党のマックス・ボーカス上院財務委員長らは、ついでに3つのFTAを一括妥結すると、政治的な駆け引きをしている。このため、米・コロンビア、米・パナマFTAが完全に妥結するまで、韓米FTA批准が長期漂流する可能性まで提起されている。

しかし、一部では、政府が成果主義と実利を追求し、批准を急ぎすぎたせいで、逆風にさらされた側面があるという指摘が出ている。梨花(イファ)女子大学法学専門大学院の崔源穆(チェ・ウォンモク)教授は、「韓・EUのFTAは韓米FTAの批准のための政治的な考慮のため急いだせいで、自ら問題をもたらした」とし、「ただし、直訳、意訳の議論のように曖昧な問題もあるだけに、韓・EUのFTAをまず4月の国会で批准し、タイミングをよく計って、韓米FTAを推進する戦略が必要だ」と話した。



hyejin@donga.com