インターネット上に虚偽事実を盛り込んだ書き込みを掲載したネットユーザーを処罰する根拠となった電気通信基本法第47条第1項に対し、違憲決定が下された。
これを受け、同条項は直ちに効力を失い、国会で新たな処罰条項が作られるまでは、哨戒艦「天安(チョナン)艦」沈没事件や北朝鮮からの延坪島(ヨンピョンド)砲撃挑発の当時に行われた、インターネットや携帯電話のメールなどを通じデマを流した行為は処罰できない、法的空白事態が起きることになった。しかし、個人の名誉を毀損する書き込みや悪口、わいせつな内容の書き込みを広めさせることは、刑法上の名誉毀損罪や侮辱罪、情報通信網利用促進及び情報保護法などにより、刑事処罰が可能となる。
憲法裁判所は28日、インターネットで、「ミネルバ」というハンドルネームで虚偽の書き込みを掲載した罪で起訴され、1審で無罪判決を受けた朴デソン氏(32)が、電気通信基本法の同条項は憲法上の表現の自由などを侵害していると主張して出した憲法訴願事件で、裁判官7(違憲)対2(合憲)の意見で、違憲決定を下した。
憲法裁は、「問題となった法条項の『公益』は、その意味が不明確かつ抽象的で、どのような表現行為が公益を害するかを巡る判断は、人それぞれの価値観や倫理観によって大きく変わらざるを得ない」と明らかにした。さらに、「結局、該当条項は、どのような目的の通信が禁止されるべきかを正確に知らせることができないだけに、表現の自由で求める明確性の要請や罪刑法定主義の明確性原則に反する」と加えた。
検察は最近、北朝鮮からの延坪島砲撃挑発当時、「予備軍の動員令が下された」というデマを流したネットユーザーらに対し、同条項を適用して起訴した。しかし同日の違憲決定を受け、検察は彼らに対する起訴の取り消しを余儀なくされた。取り消さなければ裁判所から無罪が言い渡される。すでに1審と2審で有罪判決を受けた場合は、上級審の裁判部が原審判決を破棄し、無罪を言い渡すことになる。
一方、憲法裁は同日、犯罪情報収集のための傍受期間の延長回数を制限していない通信秘密保護法第6条7項に対しても、「個人の内密なプライバシーの秘密が侵害されかねない」とし、裁判官4(憲法不合致)対2(違憲)対3(合憲)の違憲で、憲法不合致の決定を下した。
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