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「感情的争いに進んではならない」収拾に共感

「感情的争いに進んではならない」収拾に共感

Posted December. 25, 2010 03:02,   

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韓国と中国が、中国漁船の西海(ソヘ・黄海)沈没事件を早急に終えることで合意したことは、北朝鮮の相次ぐ挑発でただでさえ両国間の外交葛藤が深刻化した状況で、両国間の国民世論の対立に拡大することを防ぐという意図とみられる。

今回の事件は、中国政府が、漁船沈没事件を韓国側の責任で処理する態度を取ったことで拡大した。しかし、両国が、対決したところで互いに得るものがないという共通認識により、中国の船員を早期に送還する方法で妥協点を探ったわけだ。特に、両国のメディアやインターネットユーザーが加勢して感情的な対応に広がり始め、戦争拡大防止を防がなければならないという共感が形成された。

中国が強硬に出た背景には、韓国が、北朝鮮の延坪島(ヨンピョンド)砲撃後、中国の6者協議首席代表緊急協議の提案を拒否したのに続き、中国の引き止めにもかかわらず、延坪島射撃訓練を強行したことに対し不満があったと、政府は見ている。

政府としては、韓国領海内の韓国軍の自衛的訓練は主権国家としての権利に該当する事項であるため、中国側に積極的に対応したが、漁船沈没事件に対しては中国をなだめる必要があると判断したようだ。現実的に、北朝鮮の非核化のために中国の協力が必要だからだ。

いっぽう、逮捕された中国人船員が不法操業した船舶の船員でないという点も考慮された。船員らが乗った船舶は、韓国当局から韓国の排他的経済水域(EEZ)内の操業許可を受けていたが、不法操業漁船の逃走を助けるために、海上警察の取り締まりを妨害した。妨害運航に責任がある船長は死亡した。

中国も、自国の船舶が韓国のEEZで不法操業をした事実が明らかになり、船員が故意に妨害行為をしたと供述したため、これ以上問題を拡大しても得るものがないと判断したもようだ。誠信(ソンシン)女子大学の金フンギュ教授は、「尖閣諸島の問題で日中関係が悪化し、延坪島砲撃をした北朝鮮を擁護して国際的に孤立した中国政府が、今回の問題で韓国との関係が悪化することを負担に感じたようだ」と指摘した。

しかし、政府当局が今回の中国漁船事件を正常な手続きでなく、略式で急いで処理したことに対する憂慮の声もなくはない。中国人船員を処罰せず、直ちに送り返したことが、今後、中国漁船の不法操業を煽る結果につながるという見方もある。

これに対して、政府当局者は、中国領事当局と不法操業防止に向けて継続して協議していくと強調した。



spear@donga.com