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黄長鎏氏暗殺図った北朝鮮工作員「これが自由民主主義なんだ」と驚く

黄長鎏氏暗殺図った北朝鮮工作員「これが自由民主主義なんだ」と驚く

Posted December. 01, 2010 09:50,   

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「法的手続きに従って取り調べを進めることが驚きだ。こういうのが自由民主主義なんだなぁ」

故・黄長鎏(ファン・ジャンヨプ)元北朝鮮労働党書記を暗殺しろという指令を受け、南派された北朝鮮人民武力部偵察総局所属の工作員、イ・ドンサムさん(46)が、最近公安当局の取り調べを受ける過程で提出した供述書の内容の一部だ。

30日、公安当局によると、先月国家情報院に逮捕されたイさんは、取り調べを受ける過程で、厳しい拷問や殴打があるだろうと思っていたが、黙秘権のように、被疑者が行使できる権利を事前に詳しく教え、法的手続きに従って取り調べることに驚きを示した。南派訓練を受ける過程で、南韓の法体系も十分熟知していたが、暗殺指令を受けて来た自分に、そのような法的手続きがそのまま守られるとは、全く想像できなかったとのこと。

イさんは昨年11月、金英徹(キム・ヨンチョル)偵察総局長から「黄長鎏が明日死んでも今日殺せ。捕まえて連れて来たいが、できないから命さえ絶てばいい」という指令を受け、豆満江(トゥマンガン)を渡った。イさんは、自分より先に、公安当局に検挙されて懲役10年の刑が確定された偵察総局所属の工作員、キム・ミョンホさん、トン・ミョングァンさんとほぼ似たような時期に黄元書記の暗殺指令を受けたが、今年4月、タイに滞在中、キムさんらが検挙されたことを受け、入国時期を遅らせたと知られている。しかしイさんは、検挙される数日前の10月9日、黄元書記が心臓マヒで死亡し、北朝鮮の指令を実行することができなかった。

検察の取り調べの結果、イさんは偵察総局内で最精鋭の特殊戦闘員に分類され、16年間浸透訓練を受けてきたことが分かった。特に、格闘や水泳に長けているという。同氏は1992年、軍事境界線を越え、民間人統制線の付近でしばらく滞在してから帰り、1995年には江原道(カンウォンド)北部地域へ武装浸透を試みる途中、同僚の一部が交戦中に射殺され、北朝鮮に引き返したこともあることが確認された。

同氏は北朝鮮当局から「黄の奴(黄元書記)を殺害する時は、毒針や銃を使わずにハンマーか斧を使って、一般脱北者の偶発的犯行に見せ付けろ」という支持も受けた。南韓内の固定スパイと接線する時は、「ソウル光化門(クァンファムン)の李舜臣(イ・スンシン)将軍銅像前に●●新聞を持って立っていろ」という指令を受けていたという。同氏は最近発生した、北朝鮮による延坪島(ヨン・ピョンド)砲撃挑発事件については、「後継体制を強固にするために犯したことではないかと思う。偵察総局が独自的に進めるか、関与したことではないと思う」という趣旨で公安当局に供述した。ソウル中央地検公安1部(部長=イ・ジンハン)は30日、イさんを国家保安法違反の疑いで拘束起訴した。



ceric@donga.com