北朝鮮からの延坪島(ヨンピョンド)攻撃にも関わらず、国内金融市場は取引直後やや動揺したものの、まもなく衝撃から持ち直した。24日、株価、対ドルウォン相場は、横ばいレベルで取引を終え、金利も下方安定振りを見せた。一方、前日に取引が行われた海外証券市場は、大幅に下落し、代表的な安全資産の金価格も大幅に値上がりし、国内外の金融市場は対照的な姿を見せた。
韓国戦争後、もっとも激しかった北朝鮮の挑発に、当初、専門家らは短期間の衝撃は避けられないだろうと予測した。しかし、投資家らの対応は、専門家の予想より一足早かった。同日、金融市場は、かつてとは異なり、一日で衝撃からほぼ持ち直した。専門家らは、これについて、これまでの北朝鮮リスクで、金融市場への悪影響が短期間で終わったという「学習効果」や、「相対的にレベルの高い国内経済環境などに対する信頼、豊富な流動性によるものと分析している。
●海外と国内の温度差は大きい
同日の総合株価指数(コスピ)は、前日より45.02ポイント(2.33%)安の1883.92で取引を開始した。前日の取引終了後、砲撃ニュースが伝わり、このようなショックはある面では当然なことだった。しかし、取引開始から10分後、1900ポイント台を回復し、結局、前日より2.96ポイント(0.15%)安の1925.98で取引を終えた。対ドルウォン相場も同様だった。取引前半は、1ドル=37.5ウォンウォン安ドル高の1ドル1175ウォンまでウォン安ドル高が進んだものの、次第に上げ幅が減り、前日より4.80ウォン(0.42%)安ドル高の1ドル=1142.30ウォンで取引を終えた。債券も指標物となる5年満期の国庫債金利は、前日より0.06%安の4.01%で、3年満期国庫債金利も0.08%下がった3.34%で、それぞれ取引を終えた。
一方、国際金融市場は大幅に乱高下した。23日(現地時間)、米ダウ指数は、前日より142.21ポイント(1.27%)安の11036.37で取引を終えた。アイルランド財政危機により、投資家らの不安心理が高まった中、北朝鮮の挑発ニュースや、連邦準備制度理事会(FRB)が米経済成長率の予測値を下げたというニュースが悪材料に働いた。これに先立ち、取引が始まった欧州証券市場でも、主要諸国の指数は1〜2%ずつ下落した。北朝鮮の変数よりは、他の大型悪材料が市場にのしかかっているというのが専門家らの見方だ。
安全資産を好む傾向が増大し、金やドルは高騰し、原油価格は下落した。ニューヨーク商業取引所での12月引き渡し分の金の先物価格は19.80ドル(1.5%)上昇し、1オンス(31.3グラム)=1377.60ドルで取引を終えた。2週間ぶりの最高値だった。ニューヨーク外国為替市場での対6カ国通貨・ドル相場を表すドルインデックスは79.70と、12.29%が上昇した。1月引き渡し分のウエスト・テキサス・インターミディエート原油価格は、前日より0.6%下がった1バレル=81.25ドルで取引を終えた。国内の金価格も、史上最高値を更新した。韓国金取引所によると、金の卸売価格は3.75グラム=20万9000ウォンだった。
●学習効果と一足早い外国人の対応
同日、国内金融市場の動向は、海外とは異なり、かつての北朝鮮リスクの時とも異なった。第1次延坪海戦が起きた1999年6月15日は、コスピが当日、2.21%下落したが、翌日には約3%上昇した。北朝鮮が第1次核実験を行った06年10月9日には、2.41%が下がり、数日間で回復した。今回は、株価は1日で全ての衝撃から持ち直した。
李チフン・国際金融センター研究委員は、「基本的に、我が経済は、他の先進国より優れているという信頼がある上、北朝鮮リスクへの学習効果があり、投資家らの対応は次第に緊密化しているような気がする」と分析した。かつて北朝鮮リスクが起きるたびに、その影響が短期間で終わったため、今回も南北間の全面戦争へ拡大しない限り、株価下落はかえって投資チャンスだという認識が大きかったとみられる。実際、同日、外国人は証券市場で183億ウォン、債券市場では1000億ウォン以上の買い越しを記録した。個人投資家らが北朝鮮リスクが起きるたびに、数千億ウォンも売りさばくのとは対照的な様子だ。ファンドに買い手が殺到し、機関投資家も同日、4500億ウォン近く買い越した。
ハンファ証券の鄭英熏(チョン・ヨンフン)リサーチ本部長は、「前日の夜間先物市場で、外国人が史上最大規模の1823億ウォンを買い越し、域外先物為替市場でもかつての対北朝鮮リスクの時より、ウォン安ドル高も小幅で動いた」とし、「外国人は今回の事態を、短期間のイベント性悪材料と受け止めていることを意味する」と話した。
実際、海外主要投資銀行(IB)は軒並み、「北朝鮮リスクは長引かないだろう」という内容の報告書をまとめた。ゴールドマンサックスは、「過去の事例からみて、影響は長引かないだろう」と見込んだ。UBSも、「韓国政府の状況に対する対処能力に確信を持っている」と語った。野村證券は、「長期的に見れば、ウォン安や原油価格下落は、韓国企業の輸出競争力を強化させ、韓国経済に役立つことになるだろう」と見込んだ。
国際格付け会社各社も我先に、韓国の格付けを下げるつもりはないと発表した。スタンダードアンドプアーズ(S&P)のジョーン・チェンバース国家格付け担当取締役は、「S&Pが、韓国の格付けは、北朝鮮の延坪島攻撃のような軍事的攻撃の危険も含まれている」と話した。ムーディーズのトム・バーン副社長も、北朝鮮の砲撃は、韓国の核付けに影響を与えないだろうと見込んでいる。
artemes@donga.com imsoo@donga.com