先月30日、スペイン・バレンシアのメスタヤスタジアム。チームは1対0で勝ったが、朴智星(パク・ジソン、29=マンチェスター・ユナイテッド、マンU、写真)の表情は暗かった。今季初めて90分フルタイムをプレーしたにも関わらず、全く印象的でなかった。マンU(イングランド)がバレンシア(スペイン)と欧州チャンピオンズリーグ組別リーグ第2戦を行った同日、彼のパス成功率はチーム平均(73%)より低い68%。頻繁にボールを奪われ、自信も足りないように見えた。アレックス・ファーガソンマンU監督は試合途中、怒った表情で彼を叱責した。試合が終わった後、朴智星はインタビューで「今季、競技力に満足していない。理由は私にも分からない」と言って、失望感を隠さなかった。
シーズン序盤、朴智星が本来の姿を見せられずにいる。最近、ある地元マスコミは、「攻撃で一人で空回りしているような感じだ。マンUの攻撃オプションになるには大きく足りない」と酷評した。朴智星のポジションライバルのアントニオ・バレンシア、ライアン・ギグスらが最近負傷で戦力から離脱した状況なので、彼の不振はさらに残念だ。
「朴智星危機論」の最も大きな理由は、やはりもどかしい攻撃力。実際、韓国代表チームで朴智星の位置は、クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード)や所属チームの仲間のウェイン・ルーニーに劣らない。「キャプテン」朴智星は重要なチャンスが訪れる度に得点に成功しチームをリードしてきた。最近、南アフリカ共和国W杯予選では5ゴールと最も多いゴールを記録し、本選でもギリシャ戦でゴールを決めるなど活躍を続けた。また、果敢な突破と鋭いパスで攻撃に力を吹き込んだ。
しかし、マンUで朴智星は攻撃よりは守備やチームプレーなど助演の役割に重点を置く。MBCのソ・ヒョンウク解説委員は、「チームが朴智星に望む役割と世界トップクラスの選手が集まっているマンUというチームで生き残るための本人の選択が重なった結果だ」と説明した。
問題は、今季マンUの状況が変わったということ。昨季、ものすごいゴール決定力でロナウドのブランクを埋めてきたルーニーが最近振るわなくなり、攻撃手の「キラー本能」が切実になった。ファーガソン監督も最近、「攻撃手は一つのシーズンに10ゴール以上は決めなければならない」と重ねて強調した。
このような状況で、シーズン序盤、朴智星の攻撃力は例年と比べてかえって後退した。辛文善(シン・ムンソン)明智(ミョンジ)大学教授は、「攻撃への過度な負担のため、余裕が無くなった。攻撃の状況で急ぎすぎて、自信も足りない」と指摘した。また、「このような雰囲気でマスコミとファンから異例の辛口批判まで続いて、さらにプレッシャーを感じているようだ」と話した。
SBSのパク・ムンソン解説委員は、「シーズンに対する備えをきちんとできなかったのが不振の原因」と分析した。W杯など代表チームと所属チームを行き来する厳しい日程に、シーズン序盤、頻繁な出張によってコンディションの調節に困難を経験したはずという話だ。朴智星もインタビューで、「いきなり出場が決まったりして、バランスを維持するのが難しい。精神的に弱まっている」と打ち明けた。
KBSのハン・ジュンヒ解説委員は、「強い圧迫、ものすごい活動量など、朴智星ならではの持ち味が最近の試合では見当たらないというのが問題だ」と指摘した。彼は、「朴智星も韓国の年齢で30に入っただけに、前のように『酸素タンク』らしい姿を見せてくれるのは難しいだろう」としながら、「再度心を強く持つ一方、果敢な攻撃を試み、豊かな経験を活用したプレーまでできてこそ、マンUで再跳躍できる」と強調した。
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