両目の大きさが異なったり、視力の差が大きいケースを「不揃いの目」と呼ぶ。医学的には右側の目と左側の目との屈折が異なったり、同じ種類の屈折でも、その屈折の度合いが異なって、網膜にできる物体の像の大きさが異なる症状を不同視と定義している。例えば、右目がプラス1.0ジオプトリーの遠視で、左目はマイナス2.0ジオプトリーの近視だったり、あるいはその逆の場合がそれに当たる。
◆不同視の原因は、先天的なケースが多い。後天的な疾患や怪我などにより、片目に異常が生じるケースもある。視力の発達が概ね出来上がる6〜8歳前に不同視を発見できれば、めがねを使って、良い方の目の使用を抑制し、悪い方の目の使用を増やす遮蔽法で、矯正が可能である。成人後に発見される不同視は、矯正が容易ではない。片目を中心に物体の輪郭を把握することが慣れるよう、手助けするぐらいに止まるだけだと、仁川(インチョン)ハンギル眼科病院の金チョルウ診療課長は説明した。
◆首相内定の金滉植(キム・ファンシク)氏は1972年の徴兵検査の時、不同視で兵役が免除された。1971年に公布された国防部令第213号は、「不同視は、両目の曲光度の差が2ジオプトリー以上の場合は5級(免除)』と定めている。当時の検査では、片目がマイナス7、もう一方の目がマイナス2と、両目の差が5ジオプトリーだった。ところが、2年後の1974年の裁判官任用の身体検査では、金内定者の両目の視力は0.1と0.2で、ほぼ差がなかった。さらに1970年と1971年に再度の身体検査の判定が出された時は、不同視が再度身体検査の事由と示されなかったことでも、1972年の不同視判定を巡るいきさつに疑問を生んでいる。
◆金氏は、「1974年の身体検査は、公務員を任官する検査だったため、検査を行う人々から、『メガネをかければ大丈夫なのか』と、適当に聞かれたに過ぎない。今も機械で測れば、(不同視と)出る』と主張している。1999年からは視力の基準が強化され、両目の視力の差が5ジオプトリー以上なら4級と、公益勤務要員、その以下は3級で、1、2級と同様に現役兵として服務することになっている。安商守(アン・サンス)ハンナラ党代表と同様に、首相内定者が、司法試験の合額を前後にした兵役免除が議論を招き、道徳性の是非に巻き込まれるのを目にする国民の気持ちはすっきりしない。
朴成遠(バク・ソンウォン)論説委員 swpark@donga.com