Go to contents

[社説]「公正な入学査定官制」崩壊すれば、入試大乱が起こる

[社説]「公正な入学査定官制」崩壊すれば、入試大乱が起こる

Posted September. 14, 2010 07:55,   

한국어

入学査定官制入試は、李明博(イ・ミョンバク)政権が、「私教育との戦い」のため、強く推進し、2009学年度の選考規模4500人から、2011学年度には3万7600人に急速に拡大した。人が人を評価する新しい大学入試選考方式の入学査定官制入試が成功するには、公正性が重要だ。しかし、最近、入学査定官制入試の未来を不安にさせる事態が、相次いで起こっている。

妻がY大学の入学査定官を務める教育会社代表が、ツイッターに「先輩、Y大学の試験を受けるなら連絡下さい。私の妻が入学査定官なの知ってるでしょ。いい後輩を持ちましたね」というコメントを書き込んでいたことが明らかになった。入学査定官が外部の請託を受けた場合、公正な評価を下すことはできない。大学が入学査定官の選抜と監督に留意しなければならない理由だ。素養、創意性、成長潜在力を持つ生徒を選ぶには、入学査定官が自ら専門性と使命感を備えることが必須だ。

入学査定官の「拙速養成」、「資格不足」の兆候も現れている。教育科学部が昨年、5つの大学に約11億ウォンを支援し、入学査定官専門訓練課程を開設したが、ずさんな運営だった。与党ハンナラ党の金世淵(キム・セヨン)議員によると、一部の大学は、支援金を機材購入に使用し、カリキュラムも不十分だった。2010学年度入試では、入学査定官1人が平均57.3人の志願者を選考したと集計され、慎重で深みのある評価が行われているのか疑問だ。

大学が、入学査定官制を勉強のできる生徒を集めることに活用したり、高位層や学校教職員の子弟に特典を与える事態が発生するという憂慮が高まっている。ハンナラ党の鄭斗彦(チョン・ドゥオン)最高委員も、「現行の入学査定官制は、公務員特別採用制度と似ている」とし、公正性に異議を提起した。入学査定官制入試で重要な評価資料である自己紹介書の代筆業者も登場している。

父兄から公正に選考が行われているという信頼と共感を得ることができなければ、入試大乱が起こりかねない。政府は、入学査定官制入試の「過速」を警戒し、準備状況を確認しながら、着実に定着させていく必要がある。大学は、入学査定官制入試が教育の公正性を実現する重大な試験台であることを認識し、徹底した内部監視と事後検証システムを講じなければならない。