05年、21歳だった有名ビーボーイ(B−boy)ダンスグループの「Gチーム」のメンバー、李某氏は、特に難易度の高い技の練習に熱を上げていた。国内でも一部のビーボーイしかできないという「エアートラック」や「カポエラ」の技を毎日、2〜3時間ずつ試みた。片手で体を支えながら、空中で体を回したり、特定ポーズを取るこれらの技は、難易度が高い上、体に大きな無理が生じ、キャリアの長いビーボーイらも、1日に1時間以上は練習しない。練習が終わった後は、10キロ以上もするスピーカーを移すなどの力仕事も、一人でこなした。
1ヵ月後、李氏が訪れたのは、ダンス大会の会場ではなく病院だった。そこで靭帯の損傷診断書を受け取った李氏は、兵務庁に書類を出し、身体検査を受けた。最初の検査で1級を受けた李氏は、同日に受けた再検査では4級判定を受けた。靭帯を痛めたためである。
難しいダンス動作や激務を繰り返し、肩を怪我し、兵役を逃れたビーボーイらが、警察によって逮捕された。ソウル地方警察庁・広域捜査隊は、肩に無理をきた難易度の高い技を繰り返したり、重い荷物を手にしたまま衝撃を加えるやり方で、肩の脱臼や靭帯損傷を誘導し、4級公益要員の判定を受けた有名ビーボーイダンスグループのメンバー11人を、兵役法違反及び僞計による公務執行妨害容疑で在宅起訴したと、9日に明らかにした。警察は、兵務庁に彼らの兵役減軽処分を取り消すよう通知した。
国際大会で数度もトップにつけられたこともある同チームのチーム長である朴某氏(26)などは、組織的にこのような兵役逃れの方法をチームメンバーらに伝え、実行に移すようにあおった。片手で体を支える動作を、1日に2〜3時間ずつ繰り返して練習したり、ダンベルを手にしたまま腕を落とすなど、普段簡単にできる動作を活用した。
過度な運動により、踊るのが難しくなれば、痛み止めを飲みながら耐えた。一部のチームメンバーは、4級判定を受けた後も、公益勤務を延期するため、韓国放送通信大学に登録した。ここに登録すれば入隊を最大1年半まで延期することができる。検定試験や漢字能力試験など、受験する気の無い試験に願書を出し、入隊を延期したこともある。
警察の関係者は、「今年5月、精神疾患者と偽装して兵役を逃れたビーボーらは、最近、裁判所で懲役10ヵ月が言い渡された」とし、「キャリアの打ち切りを懸念するこのようなビーボーイらの兵役逃れの事例は、さらに多いと見られ、捜査を拡大する予定だ」と明らかにした。
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