イタリアの名品ブランド「ベルサーチェ」とソウル市江南(カンナム)区にあるモーテルが、商号問題を巡って法廷で争った。ベルサーチェ側は08年11月、「VERSACE」という標章をホテル業のサービス標として登録したが、パン某氏が04年4月から江南区に運営しているモーテル名が「ホテル・VERSACE」となっていることを知った。パン氏はモーテルの壁などに同商号を掲げて営業をした。
ベルサーチェ側は、パン氏による同商号の使用禁止を求めて昨年2月、ソウル中央地裁に仮処分申請を出した。第1審は「ベルサーチェのような世界的なファッションメーカーが小規模の宿泊業を営んでいるのは異例のことで、パン氏が経営するモーテルをベルサーチェが運営しているものと誤認する恐れがあるとは言いがたい」として申請を棄却。これにベルサーチェ側は不服として抗告した。
ソウル高裁・民事5部(黄漢式・部長判事)は12日、「ベルサーチェ側が運営するホテルとパン氏のモーテルは宿泊業として同一類似のサービスである点を考慮すれば、これはサービス標権侵害に当たる」として、パン氏に「ベルサーチェ」の表記が含まれた商号や広告物などの使用を禁じる決定を下した。
裁判官は、「ベルサーチェがサービス標として出願される前からパン氏が同標章を使ってはいたが、この標章がパン氏のモーテル業を表すものであると、国内需要者の間で認識された証拠がないため、パン氏の優先的な使用権を認めるのは難しい」と述べた。
ryu@donga.com