「安養(アンヤン)をダイナミックに再生させるためには、保守と進歩が別々に歩むわけにはいきません」。崔大鎬(チェ・デホ)安養市長(民主党)が、7日1日の就任の挨拶で語った言葉である。このように和合を強調した崔市長は、前市長時代に全国公務員労働組合(全公労)の処分を担当した安養市の幹部社員らを全員左遷させた。行政安全部の配置換え規定に反した人事である。これらの処分担当者によって、昨年罷免されたソン・ヨンテ元全公労委員長は、崔市長側の引継ぎ委員会の諮問委員に抜擢された。
◆「教育では、進歩と保守の区別はない。教育の主体が満足できる政策を優先すべきだ」。金承煥(キム・スンファン)全羅北道(チョルラブクド)教育監の発言だ。ところが、昨日、前教育監時代に決定された益山(イクサン)の南星(ナムソン)高校と群山(クンサン)の中央(チュンアン)高校の自律型私立高校の指定を取り消すと正式発表した。左派系市民団体の「単一候補」として当選した金氏は、自律高校を「平等のイデオロギーを害する特権教育のシンボル」とみなしている。就任の挨拶で、「全ての子供が、元気で幸せに過ごせる温かい教育現場を作るつもりだ」と主張したかと思うと、学校が勉強するところではなく、遊び場や健康ランドとでも思っているのだろうか。
◆安養市と全羅北道教育庁の「政策覆し」は、様々な面で似ている。崔市長と金教育監は、共に左派性向であり、上辺だけはイデオロギーを全く気にしていないような、イデオロギーを超越でもしたかのように話している。左派と呼ばれるのがいやなのか、民主的な人物と映りたいためなのか気になる。権力を手にするや否や、前任者の政策を覆して法令を違反したことや、是正を命じる上部の命令に立ち向かっていることも同様だ。入試塾経営者出身の崔市長は、「行政安全部による是正命令が、法に適しているかどうかは、司法の判断が必要だ」と主張した。憲法学教授出身の金教育監も、司法の判断まで問う構えだ。
◆法律に従うなら、安養市が間違った人事を立て直さない場合、京畿道(キョンギド)知事は、職権で人事を取り消すことができる。教育科学技術部も同様に、全羅北道教育庁による自律高校指定の取り消し措置が不当なことが明らかになれば、地方自治法第169条第1項により、職権で道教育長の決定を取り消すことができる。問題は、政府に果たして、それだけの意志や行政力があるかということだ。口先だけで「厳しく対処する」と叫んだ末、うやむやすることになれば、左派自治体首長らの「反乱」は相次ぐことになるだろう。ボールは政府の手に渡った。「実力派次官」と呼ばれていた李周浩(イ・ジュホ)教育科学部次期長官の腕前を拝見したい。
金順鄹(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com






