在米韓国人科学者がレタス、ほうれん草などの野菜についた病原菌を現場ですぐ確認できる携帯用検出装置を世界に先駆けて開発した。同検出装置を利用すれば、新型インフルエンザA(H1N1)、重症急性呼吸器症候群(SARS・サース)のような呼吸器疾患の感染の有無も直ちに診断できる。
米国のアリゾナ大農生命工学科のユン・ジョンリョル教授は22日、東亜(トンア)日報との単独インタビューで「レタスに大腸菌が一つだけついていても、汚染しているかどうかが判定できる「ラブ・オン・ア・チップ (Lab on a Chip)」技術を利用し、病原菌を確認する携帯用検出装置を開発した」と明らかにした。
ラブ・オン・ア・チップは、「一つのチップの上に実験室を載せて置いた」という意味で、一種のバイオチップだ。チップの微細なチャンネルに血液、水など、非常に少量の液体を流れ込み、数十〜数百の生化学実験をその場で行える。
ユン教授が開発したラブ・オン・ア・チップは、微細なチャンネルによって光が流れ込むようにし、従来の類似なチップより検出性能を1000倍以上高めた。
ユン教授は、「試料に紫外線を当てた際に、病原菌による紫外線の散乱は最大限拡大させ、野菜の植物細胞やほこりなどの病原菌以外の物質による散乱は最小限に収めたのがラブ・オン・ア・チップの中核だ。2、3年後には携帯電話にこの機能を装着できるだろう」と説明した。ユン教授は、同技術を利用し、07年から国立獣医科学検疫院と共同で豚の畜舎の近隣地域で空気を採取し、感染症を起すウィルスを検出する研究にも取り組んでいる。
ユン教授は「新型インフルエンザ、サースウィルスなどを現場ですぐ検出すれば、呼吸器による感染症の大流行に初期に歯止めをかけることができる。講義室、映画館、デパートなど人が多く集まる場所に、火災警報器のような警報装置を設置し、空気中に新型インフルエンザが感知されるたびに警報音が鳴るようにすることができる」と述べた。
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