02年6月29日、第2次延坪(ヨンピョン)海戦当時、西海(ソヘ・黄海)上の北方限界線(NLL)を侵犯した北朝鮮警備艇を阻止しようとして犠牲になった韓相国(ハン・サングク)中士(当時27才・副士官155期)の名前を冠した海軍部隊が誕生した。海戦当時、操舵長として海軍高速艇「チャムスリ357号艇」(170トン)に搭乗した韓中士は行方不明になり、後に遺体が引き揚げられた。海軍は1日午後2時、慶尚南道鎮海市院浦洞(キョンサンナムド・チンヘシ・ウォンポドン)のSTX造船海洋で、「韓相国艦部隊」の創設式を行った。同部隊は昨年9月、韓中士の名前を取って建造された誘導弾高速艦(PKG=Patrol Killer Guided-Missile)の「韓相国艦」に乗って作戦任務を遂行する。
●東海を守る韓相国艦部隊
海軍作戦司令部所属の韓相国艦部隊は、ユン・ジョンジン艦長(少佐)をはじめ、将校5人、副士官30人、水兵7人の42人で構成される。08年に建造が始まった韓相国艦が昨年進水し、海軍は今年4月までに、海軍作戦司令部所属の将兵を同部隊に送った。航海部、機関部、戦闘システム部、作戦部が編成された。敵の海上戦力の機動攻撃、沿岸の防衛、旅客船の護送、漁船の保護などの任務を遂行する。
現在、STX造船海洋が、同艦艇を今年9月に海軍に引き渡す前に、近隣の海で試験運航をしている。部隊の将兵らは、韓相国艦に搭載された最新の装備技術の習得に励んでいる。部隊は、実践配置の演習を経た後、来年から任務に入る。任務の遂行地域は、韓中士が戦死した西海ではなく、江原(カンウォン)地域の東海(トンへ・日本海)だ。
韓相国艦(450トン級)は、長さ63メートル、幅9メートル、最大速力40ノット(時速74キロメートル)。射程距離140キロメートルの艦対艦誘導弾と76ミリメートル艦砲、1分当たり600発を発射できる40ミリメートル艦砲を装着し、長距離攻撃の能力が優れている。3次元レーダーを活用し、標的に最も効果的な対応攻撃方法を提示する自動戦闘システムを備え、敵の射程圏外で先に攻撃することができる。
船体には、敵のレーダーの捕捉を妨害するステルス技法が使われた。ウォータージェット推進機を装着し、漁網などの妨害を受けずに低い水深でも航海できる。ユン艦長は、記念のあいさつで、「第2次延坪海戦の勝利を称え、参戦勇士の崇高な精神を称えるために建造された最新鋭の韓国型高速戦闘艦で、部隊員は祖国の海を守るために最善を尽くす」と強調した。
●韓中士の遺族「息子の分まで海を守ってほしい」
韓相国艦部隊の創設式には、海軍とSTX造船海洋関係者、韓中士の遺族ら約70人が出席した。韓中士の妻の金ジョンソンさん(36)は、「結婚して6ヵ月で別れの言葉もなく逝ってしまったが、船と部隊名で生まれ変わり、胸が震える。夫の名前をつけた部隊が、国民と国土を守護することを願う」と話した。母親のムン・ファスンさん(63)も、「天安艦事件の後に息子の名前をつけた部隊ができ、厳かな気持ちだ」と語った。
いっぽう海軍は、昨年6月に実戦配置された誘導弾高速艦1番艦「尹永夏(ユン・ヨンハ)艦」をはじめ、誘導弾高速艦24隻を建造する計画だ。2番艦の韓相国艦、3番艦の「趙天衡(チョ・チョンヒョン)艦」のように4〜6番艦の艦艇にも、第2次延坪海戦で亡くなったファン・ドヒョン、ソ・フウォン中士、朴ドンヒョク兵長の名前をつける計画だ。
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