アフリカのコンゴ民主共和国は韓半島の11倍にのぼる国土面積に銅、ダイヤモンド、原油など豊富な鉱物資源を有しているものの、1人当たりの国民所得は171ドル(09年現在)に過ぎない。ジョセフ・カビラ・コンゴ大統領は、軍参謀総長を務めた01年、父親のローラン・カビラ大統領が暗殺された後、臨時政府の大統領に推戴され、06年、初の民主選挙で大統領に当選した。最近韓国を訪問したカビラ大統領は、「コンゴは内戦にピリオドを打って、貧困と低開発に立ち向かい、別の戦いに取り組んでいる」と話した。
◆コンゴが「貧困との戦い」で主力兵器として選んだのは、40年前の1970年4月、韓国で始まったセマウル(新しい村作りの意)運動だ。04年、韓国でセマウル指導者教育を修了したコンゴ留学生のウンクム・プレイロングラ博士が、「アフリカに最も適した開発モデルはセマウル運動」とし、韓国に協力を要請したのが始まりである。04年、首都のキンシャサに「コンゴ・セマウル会」が設置され活動を始めて以来、3市道、7郡、18の村に1075人のセマウル会員が活動している。韓国政府は昨年に続き今年もコンゴのセマウル指導者ら12人を招待して関連教育を実施し、2ヵ所のモデル村を支援する計画だ。
◆中国でも胡錦濤主席ら最高指導部約200人が出席した中で06年に開かれた「社会主義新農村建設運動」の討論会で、韓国のセマウル運動を新農村政策に反映する案が話し合われた。先月29日、ソウルのグランドインターコンチネンタルホテルで行われた「中国湖南省招商会(投資説明会)」に中国代表として出席した楊懿文・中国共産党国家級長沙経済技術開発区委員会書記は、「湖南省の農民に早くセマウル運動を普及させたい」と話した。
◆昨年まで74カ国から4万7000人あまりの外国人が韓国を訪れ、セマウル運動を学んで帰っていった。セマウル運動が途上国の発展モデル、大韓民国の代表ブランドになっている。韓国だけでなく、世界人の成功の資産になったわけだ。この地の親北左派勢力は、セマウル運動とそこから精神的・物質的力を得た産業化を、ただ維新独裁体制を合理化する道具にこき下ろした。世界的な輸出品になったセマウル運動40周年を迎え、今からでも我々の歴史を正しい目で見直さなければならない。
朴成遠(パク・ソンウォン)論説委員 swpark@donga.com