「トゥッポジャプ」とは、ネットユーザーの間で、「聞くことも見ることもできない奴」という意味で使われる造語だ。進歩新党のインターネット掲示板や自分のブログに、メディアウォッチのピョン・ヒジェ代表を「トゥッポジャプ」と非難した陳重権(チン・ジュングォン)氏が5日、1審で罰金300万ウォンを言い渡された。裁判所は、「陳氏が『トゥッポジャプ』などの侮辱的な表現をしたことが認められる」として、有罪宣告の理由を説明した。進歩新党は、「『トゥッポジャプ』が侮辱的な表現だとして刑法上の罪が成立するなら、大韓民国で表現の自由は存在しない」という声明を出した。表現の自由は、いかなる理由でも制限できない絶対的な自由と理解しているようだ。
◆表現の自由が無制限に許される民主国家はない。憲法第21条は、すべての国民の表現の自由を保障しつつ、他人の名誉や権利または公衆道徳や社会倫理を侵害してはならないという点を明確にしている。陳氏が、「私はトゥッポジャプだ」と言うことは表現の自由だが、「おまえはトゥッポジャプだ」と言えば、侮辱罪になり得る。ピョン代表は、「ない事実を作り上げて他人の名誉を傷つけることが表現の自由なら、私が進歩新党の人々が賄賂を受け取っていると主張する場合、進歩新党はじっとしているだろうか」と反論した。
◆陳氏は、「ピョン代表がメディアを創刊しては、廃刊を繰り返した」とネットに書き込んだ。しかし、裁判所は、「事実であることを明らかにする根拠を提示できず、虚偽事実と見なければならない」と明らかにした。情報通信網利用促進および情報保護法第44条7項では、「誰であれ人を誹謗する目的で、公然に事実や虚偽の事実を明らかにして他人の名誉を傷つける内容の情報を流してはならない」と明示されている。党員の掲示板ではなく、個人のホームページやブログでも同じだ。情報通信網は事実上、万人に開かれているためだ。
◆顔が見えないからと、ネットではどんな表現でも大丈夫だと考えるユーザーが多い。大学の教授でさえ、虚偽事実に基づいた論評で他人の名誉を傷つけておいて、警察が捜査に入ると、「言論の自由への侵害だ」と反発したこともある。虚偽事実で他人の名誉を傷つけることは、言論の自由ではなく、7年以下の懲役または4000万ウォン以下の罰金を受ける犯罪行為だ。今回の判決が、ネットユーザーに警戒心を与えたとすれば、陳氏は本意とは違って、インターネットの「進歩」に貢献したというわけだ。
金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com