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[社説]北朝鮮が不安な分、韓米協力の強化が重要だ

[社説]北朝鮮が不安な分、韓米協力の強化が重要だ

Posted February. 05, 2010 08:43,   

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北朝鮮が、昨年11月30日にデノミネーション(通貨呼称単位の変更)を実施して以来、深刻な混乱に陥っている。デノミ政策当時、コメ1キロを20ウォンで買えたが、今は400〜600ウォンと20〜30倍も跳ね上がった。貨幣価値も暴落し、当初、北朝鮮貨幣30ウォンと1ドルを交換していたのが、今は500ウォンまで下がった。食糧を得られずに飢えて死ぬ人が続出し、咸興(ハムフン)、清津(チョンジン)、南浦(ナムポ)などの地域では、国家機関関係者に抗議して、衝突や殺害事件まで起きているという。

さらに、金正日(キム・ジョンイル)総書記に尊称をつけずに話すムードが広がり、体制の安定を揺るがすほどにまでなっているもようだ。北朝鮮は、デノミ政策の失敗の責任を問い、朴南基(パク・ナムギ)労働党財政計画部長を解任したという。しかし、その程度では怒った民心をなだめることは難しいだろう。内部反発による緊急事態や韓国に対する挑発の可能性を排除できない状況だ。万一あるかもしれない安保状況に、軍事的・政治的にただちに対処できるよう緊密な韓米協力がいつよりも重要な時だ。北朝鮮は、一方の手でトウモロコシを受け取り、対話を云々しながらも、西海(ソヘ・黄海)上の北方限界線(NLL)に向けて砲弾を発射し、韓国の対応態勢を見定めている。

ゲーツ米国防長官は3日、「イラクとアフガニスタンで戦争をしている間は、韓半島の有事の際、米陸軍の韓国投入が遅れるだろう」と話した。キャンベル国務次官補は、2012年に予定された戦時作戦権返還に対する韓国内部の憂慮を真剣に受け入れていると述べたが、米国がどれほど真剣に検討しているかは分からない。有事の際、開戦初期の60〜70日の間に弱点が発生すれば、恐ろしい結果を招く恐れがある。

北朝鮮は今、開城(ケソン)工業団地の賃金引き上げや金剛山(クムガンサン)・開城観光事業の再開など、経済協力事業を通じて外貨を確保することによって危機を免れようと計算しているようだ。北朝鮮が、外国からの投資誘致に向けた国家開発銀行の設置や対米関係改善を急ぐのも、核開発で自ら招いた国際社会の制裁を迂回するための戦術的選択と見ることができる。しかし、市場機能を復元し、核を放棄し、国際制裁を解かなければ、生産と流通を正常化することは難しく、北朝鮮の混乱はより一層悪化せざるを得ない。

李明博(イ・ミョンバク)政府が南北首脳会談をするとしても、金大中(キム・デジュン)、慮武鉉(ノ・ムヒョン)政府の時のように、核を放棄しないまま適当に危機を免れようとする金正日(キム・ジョンイル)体制を助ける結果を招いてはならない。南北首脳会談であれ、6者協議であれ、北朝鮮が核を放棄し、改革開放を通じて正常な国家に生まれ変わることが、国際社会の助けを受けて韓国とも根本的な協力ができる唯一の道であることを知る場にならなければならない。この問題でも、韓米間協力が緊要だ。