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[オピニオン]盧前大統領の遺産

Posted December. 02, 2009 08:39,   

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「(大統領夫人になれば)親族に対する管理への期待が最も大きいと思います。大統領を精神面で支え、健康維持に気をつけます」。第16代大統領選挙直前の02年12月1日付の東亜(トンア)日報に掲載された権良淑(クォン・ヤンスク)夫人のインタビューの一コマ。当時、インタビューをした筆者は、95年にゴルフを始めたという権さんに、「ゴルフは庶民的なスポーツではないのではないか」と尋ねた。権夫人は一言一言はっきりと答えた。「弁護士は庶民ではなく、私たちは庶民を代弁するだけです。我が家のマンションは65坪です。庶民でなければ庶民を代弁できませんか」。

◆昔の記憶がよみがえる理由は、故盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の遺族が、先週国税庁に提出した相続税の申告のためだ。盧前大統領が残した財産は、烽下(ポンハ)村の自宅など約13億ウォンで、自宅建設のための銀行融資などの負債が約16億ウォンだという。負債が保有財産よりも多く、特に問題がないなら、相続税を申告しなくてもいいというのが国税庁の解釈だ。相続税が問題なのではない。「権さん一人が、あの広い庭で多くの負債に耐えているのなら、誰が見ても問題ではないのか」と、ハンナラ党の朱盛英(チュ・ソンヨン)議員が報道資料を出した。

◆6ヵ月前、検察は朴淵次(パク・ヨンチャ)事件の捜査発表で、権さんが100万ドル、娘が40万ドル、息子と姪の夫が500万ドルを朴氏から受け取った疑惑があると明らかにした。朱議員は、「その金で家を買ったなら家があるだろうし、現金で保管しているなら、現金があるだろう。その金を相続で受けなかったとすれば、今誰が持っているというのか」と指摘した。権さんは、親族の管理どころか、自分の息子や娘が正当でない金を受け取り、結果的に夫を支えることができなかった。収賄疑惑で起訴され、有罪判決が確定したとすれば、追徴や没収の対象になりうる金だった。しかし、盧前大統領の自殺で、捜査は「公訴権なし」で終結し、金についての言及も消えた。為替レートを1ドル=1200ウォンとすれば、約80億ウォンが「弁護士や会計士らと相談した」資産内訳に含まれていない、遺産とは言えぬ遺産になるわけだ。このほかに、世宗(セジョン)市、戦時作戦権返還、左寄り親日糾明委員会の「大韓民国建国貢献者および6・25護国功労者」のレッテルなど、盧前大統領の遺産が残された。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com