韓国証券市場は27日、米国における「ブラック・フライデー(Black Friday)」を控え、本格的な年末ラリーの開始を期待できるだろうか。米流通業界におけるブラック・フライデーとは、「株価が暴落した金曜日」という意味ではなく、小売業者各社の赤字が黒字へと転ずるほどの大規模な書き入れ時を指す。いわば、「雇用なき消費の回復」ができるかどうかを試せる初めての試金石でもある。韓国証券市場を含めたグローバル証券市場の関心は、いまや米国人が今年末にどれだけ財布の紐を緩めるかに集まっている。
韓国証券市場は9月22日、年中最高値(1718.88)を記録した後、2ヵ月間下り坂を辿っている。22日、韓国取引所によると、韓国総合株価指数(コスピ)の年中ピーク比の20日の終値の下落率はマイナス5.72%。これは世界主要11証券市場のうち、日本の日経平均株価(マイナス10.73%)に次いで2番目と高い。香港のハンセン指数は今月16日、米ダウ指数やブラジルのボベスパ指数は17日、ロシアのRTS指数は18日に年中最高値を更新しながら上昇の勢いを見せている一方、韓国証券市場は早めにピークに達した後、逆走行をしている。
この2ヵ月間、韓国証券市場に失望させられたのは、外国人投資家による買い注文が目立って減っているためだ。9月の1ヵ月間、4兆6706億ウォンを買い越した外国人は、先月は9月より69。4%も激減した1兆4274億ウォンの買い越しに止まった。特に、米英系資金による買い越しの減速が目立った。累積買い越しにおいてトップの米国は9月=1兆356億ウォンから先月は3496億ウォンと、買い越しが減り、英国は3兆2575億ウォンの買い越しから84億ウォンの売り越しへと転じた。
外国人による「バイ・コリア」が減速したのは、ウォン高の中で輸出株の実績が第4四半期以降低迷しかねないという判断によるものと見られる。シンヨン証券の金世仲(キム・セジュン)投資戦略チーム長は、「韓国証券市場はウォン高ドル安の中で、輸出株が相対的に弱い勢いを見せ、低迷から脱せずにいる」と語った。
国内景気が下降局面に転じかねないという悲観的な見通しも、買いの勢いの減速に一役買っている。国内景気の先行指数の伸び率は、3ヵ月連続して前月比減速している。KTB投資証券の朴ソクヒョン研究員は、「9月末以降、コスピ指数が低迷している背景には、国内景気の先行指数の伸び率は早晩、下落に転じかねないという懸念が働いた」と語った。
2ヵ月間も遅遅として進まない流れは先週、相当解消された雰囲気だ。コスピは先週、3.1%上昇し、久しぶりにグローバル証券市場に比べ高い上昇振りを示した。特に、外国人が1兆ウォン規模の買い越しを記録したことから、年末ラリーへの期待も高まっている。
証券市場の専門家らは年末ラリーの可能性は、米消費指標にかかっていると見ている。米国における雇用は早いうちには回復しづらいと見られるが、先に消費が持ち直せば、中期的にはグローバル証券市場における上昇の流れを下支えする心強い背景として働くだろうという説明だ。
米消費の回復度合いを確認できる日は、27日のブラック・フライデー。この4年間の調査の結果、63.8%の消費者が年末の割引セールが始まる11月の最後の週末のうち、この日にショッピングを行うため、27日は、年末全体消費のレベルを推し量る重要な日である。米国における12月の消費販売額は00年代以降毎年増加し、07年は3764億ドルとピークに達したものの、金融危機に見舞われた昨年は3364億ドルへと激減した。昨年、このような深刻な消費低迷を経験した米国人が、今年に集中的に消費することもありうるという期待が高まっている。いわば抑圧需要(pent-up demand)の噴出だ。
米国の年末消費に対する市場の期待は非常に低いのが現状であり、抑圧需要が噴出し、予想よりよい結果が出ることになれば、グローバル証券市場における同伴上昇が期待できる。トーラス投資証券の李ギョンス投資分析チーム長は、「米消費者による年末ショッピングの実績が予想より芳しければ、雇用無き消費回復の可能性に対しても自信を持つことができる」とし、「結果が予想よりよければ、株価はサプライズ反応を示しかねない」と見込んだ。
しかし、米消費関連指標が低迷すれば、横ばいの相場が続きかねないという予想もある。未来(ミレ)アセット証券のチョン・スンジェ研究員は、「これまで、米国発の好材料に対して、国内証券市場は緩やかに、悪材料に対しては敏感に反応してきた」とし、「米消費指標が予想値より悪ければ、これまでの遅遅として進まぬ動きからは脱しづらいだろう」と語った。
crystal@donga.com jarrett@donga.com