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[オピニオン]人気高校と嫌われる高校

Posted November. 05, 2009 08:23,   

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米ワシントンにミシェル・リー教育監がいるとするなら、ニューヨークにはマイケル・ブルームバーグ市長がいる。1990年代、ルドルフ・ジュリアーニ市長が警察に強く働きかけ、ニューヨークの犯罪率を半分に減らしたように、ブルームバーグ市長は公立学校に強く働きかけ、学力を引き上げている。02年の就任の際は、ニューヨーク小中学校の生徒らが数学科目で基礎学力を達成した割合はわずか42%だったが、今年は82%に増えた。人種間の学力格差も半分に減った。生徒の成績の向上により、学校に等級をつけ、2年内に改善できなければ、校長を変え、4年内にできなければ廃校にする政策を展開した結果だ。優秀な学校の教師には3000ドル、校長には2万5000ドルのボーナスも支払った。

◆ソウル市教育庁が来年、学校選択制で入学する中学3年生9万5643人を対象に、模擬テストを行った結果、5人中1人が希望する学校に入れないことが分かった。定員を満たせなかった学校は14校に上る。ソウル市教育庁は、定員を満たせなかった学校に対し、教育環境改善事業に乗り出すとしながらも、学校名は明らかにしていない。何も知らずにこれらの学校を選んだり、強制的に割り振られる生徒らが損することになる。

◆学校同士、教師同士の競争を誘導し、教育競争力を高めるのが学校選択制なら、生徒らが好む学校にインセンティブを与えるなら、つじつまが合う。人気校の定員を増やし、希望する生徒らが最大限入れるようにしてこそ、真なる学校選択制である。嫌われる学校に対し、不利益どころか、より多くの財源や優秀な教師を支援するのは、合理的なことではない。英国の教育改革が失敗した理由も、いかなることがあっても、廃校に追い込まれることのない「ゾンビ学校」のためだった。

◆アン・ダンカン米教育長官は、シカゴ教育監として在職した7年間、基礎学力に達しなかった学校61校を廃校にし、75校を新設した。最近、「廃校措置を受け、ほかの学校に転校した生徒らのほとんどは学力に大きな変化は見られなかった」というシカゴ大学の研究結果が出たものの、ダンカン長官側は、「彼らは、同様のレベルの学校に転校したためであり、よりよい学校に転校した生徒らの成績は向上した」と反ばくした。嫌われる学校のリストを明らかにせず、骨折り損のくたびれもうけのように支援ばかり行った場合、税金のみ浪費されかねない。教師の職場保障ではなく、生徒の未来を重視する教育政策を展開しなければならない。

金順鄹(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com