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[オピニオン]ゴルフと民主化

Posted October. 22, 2009 08:06,   

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「マクドナルド・ハンバーガーのゴールデンアーチが入っている国同士では戦争は行わない」。米ニューヨークタイムズのコラムニスト・トマス・フリードマンの論理だ。米国の外交協会会長のリチャード・ハースは、「ゴルフの地政学」を先月、ニューズウィーク誌に紹介した。ゴルフが親しまれている国ほど米国と近い反面、ゴルフを弾圧するほど反米的だということだ。米国の敵だったベトナムが、いまや友だちになろうとしている様だ。「ホーチミン・ゴルフ・トレイル(trail)」は、ベトナム戦当時、北ベトナム軍の補給路だったが、今は近くの豪華なゴルフコースとリゾートへゴルファーらを誘う道になった。

◆ゴルフ場が増えるというのは、中産層が増加するという意味だ。その分、民主主義の基盤が整えられ、基本的な安全が保障されるという意味だ。海外のゴルフ観光客は新しい風とアイデアを運んでくる。ハースがゴルフを「経済的・政治的開放の表現」と言ったのもこのためだ。北朝鮮にはゴルフ場が3ヵ所しかないが、韓国には234ヵ所もあるということだけ見ても明らかだ。ゴルフは平和と安定を象徴する。インドとパキスタンの間の紛争地域であるカシミールにも5つのゴルフ場が入っている。まだ平和が手に届いたわけではなくても、正しい方向へ向かっていることを示唆する。

◆ゴルフ場が必ずしも肯定的な現象だけをもたらすわけではない。ベトナムではゴルフ場の増加に伴い、米を耕作する農地が減り、乾期の水不足が悪化している。農地から追い出される農民は多いが、ゴルフ場に就職する人は少ない。社会主義の国であるため、「お金持ちの、お金持ちによる、お金持ちのための」ゴルフ場に対する反発も根強い。ウンユエン・ダン・ヴァン国会副議長は、「お金持ちのためのゴルフ場が農地を食い込み、公害を起こし、食料安保を脅しているのだから、高い税金を課すべきだ」と話した。

◆ベトナムで140ヵ所のゴルフ場プロジェクトが全て完成すると、韓国と並ぶ数字になる。メインターゲットも国内料金が高い韓国人と日本人だ。ベネズエラのように大統領がゴルフを公開非難しつつ、ゴルフ場の閉鎖を命令する国よりは、ベトナムの方が民主主義にずっと近付いていると言える。昨日、両国の首脳会談で韓国とベトナムの関係が「戦略的協力パートナー関係」へ格上げされた。政治・経済・人的・文化はもちろん、ゴルフ交流まで活発になることを望む。

金順鄹(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com