「事実関係を尊重するのは、それ自体で最高の戦略です」
チョン・ジミン氏は21日、電話で著作出版の感想を聞くと、「PD手帳のように事実関係に基づいていない話は、ほんの一瞬は注目されるかも知れないけど、長続きしないことは明らかです」と語った。
特に、PD手帳の制作スタッフや狂牛病(BSE)専門家と名乗る集団が「客観的な事実と主観的な真実を見分けることができず、自分が信じたいことを真実という名に包装し、明白に立証可能な事実よりも重視するのが一番大きな問題だ」と指摘した。本のタイトルを「私は事実を尊重する」に決めたともそのためだという。
昨年6月、PD手帳の意図的な歪曲を暴こうとする一連の動きに関わったため、当時、準備していた留学が1年以上見送られた。
チョン氏は、巨大放送局の番組による歪曲を指摘するなかで、気苦労はなかったのかという質問に対し、「PD手帳が、釈明放送などで私の予想通りに動いてくれたため、へたな人とチェスをやる感じだった」とし、「これはPD手帳がどういう内容を、どれだけ取材し、どの部分を外したのか、または歪曲したのかを知っていたから可能だったことだ」と話した。
PD手帳騒ぎが与えた教訓について、韓国社会の人文学的な土壌の貧弱さを指摘した。
「社会で取り返しのつかない事態が発生した時、最も冷静な理性を発揮しようとする動きが全く感じられませんでした。事実関係への解明に影響力を発揮するべき人がきちんと対処できず、政治的な目的で、手段を正当化しようとするまやかしだけが溢れていました」
チョン氏は年末に米アイビーリーグのある大学へ留学する予定だ。
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