民主党の康奉均(カン・ボンジュン=3選、全羅北道群山)議員は、行政試験6回目の経済官僚出身で、金大中(キム・デジュン)政府時代の初期、大統領経済首席秘書官や財政経済部長官を歴任し、企業の構造調整についての采配を振るった。民主党内では中途保守性向の穏健派と分類されているが、所信は誰よりもはっきりしているという評を受ける。党内はもとより、対与党関係においても常に「代案」を先に要求する。今年上半期に与野党間で非正規職法やメディア関連法を巡り、対立が深まった時も、同氏は「政府与党が行うことに対して一から反対するよりは、代案を示さなければならない」と、政策政党の役割を強調した。
◆1日、国会本会議場で開かれた通常国会の開会式で、金炯旿(キム・ヒョンオ)国会議長が開会の挨拶を読み上げる瞬間、民主党所属の議員らは一斉に立ち上がり、「窃盗主犯の金炯旿は辞退せよ」と叫びながら、ピケを振るった。党指導部からは「開会辞の直前に立ち上がり、ピケを掲げながら声をあげよ」という行動規則が伝えられていたものの、康議員は沈黙を守りながら立っていた。同日、本会議の直前に、「ピケによるデモの後、集団退場」の方針を巡り、民主党議員らの意見が二つに分かれた。しかし、穏健派の主張は強硬派の側に立った院内代表団によって黙殺された。
◆朴相千(バク・サンチョン)議員(全羅南道高興・寶城)は同日、本会議を控え、院内代表団宛に数度に渡って電話をかけ、「国会議員が国会内でプラカードのデモをするなんて話にならない。幼稚な政治はやめよう」と訴えたものの、力不足だった。5選の朴議員は1980年代初頭、「聡明な院内総務」として名をはせ、金大中政府時代は法務部長官を歴任した。民主党による登院拒否とハンナラ党による単独での国会開会方針とが厳しく対立していた今年6月、同氏は「急を要し、厳しい事案ほど、交渉を通じて決着をつけてこそ、国会の存在価値が目立つことになる」と主張し、闘争一辺倒の党方針に変化を求めた。
◆二人の議員のほかにも、金忠兆(キム・チュンジョ)や朴柱宣(バク・ジュソン)議員など、本会議場でのプラカード・デモの方針に従わなかった重鎮議員が数人いる。彼らは、「MB(李明博大統領の名前の略字)悪法の阻止」を中心にすえ、強硬な対与党闘争を率いる指導部とは異なり、「無意味な保守・進歩間のイデオロギーを巡る議論よりは、国民生活と関連した実利的な政策を持って勝負に出なければならない」と話している。党内で彼らの「所信」に共感を示す声がなくはないが、大勢を形成できずにいるのが、最近の民主党の限界のような気がする。
朴成遠(バク・ソンウォン)論説委員 swpark@donga.com