年明けに80歳の農民と牛との30年間の友情を描いた独立映画「牛のベルの音」が、200万人の観客を突破する新記録を樹立した。しかし、オンラインのファイル共有(P2P)サイトを通じ、不法動画ファイルが広まり、制作会社は多額の損失を被った。制作会社からの捜査要請を受け、不法コピー者39人が在宅起訴された。一度、デジタル・コンテンツがもれることになれば、猛スピードで広まり、復旧が難しくなるため、制作会社は著作権の保護に必死である。
◆大半の映画は劇場での上映を終え、デジタル・ビデオ・ディスク(DVD)を制作する段階で流出され、ウェブハードや個人同士のファイル共有(P2P)サイトを通じ、インターネットに流される。不法で盗み撮りをし、サイトに掲載すれば、金儲けるができるためだ。不法動画ファイルが掲載されているサイトは、入会費の名目で金を受け取る。1日に数十のウェブハードやP2Pサイトが生まれては消えるほど、不法流通が盛んだ。不法動画を媒介にするインターネットの闇経済ができている。制作会社各社は24時間、ネットスペースを監視しながら、不法流通を防ぐため、努力しているが力不足である。
◆不法動画の流出は一際大胆となり、映画館で上映中の映画すらネット上に出回る。最近、警察庁・サイバーテロ対応センターが捜査に乗り出した映画「海雲台(ヘウンデ)」は、先月22日に公開され、30日までで1073万人が観覧した。制作会社のCJエンターテインメント側は、「劇場での上映中に不法ファイルが流通されるのは、非常に稀なことだ」と明らかにした。海雲台は今月25日の中国や28日の米国に続き、東南アジアでの公開も控えており、CJ側は海外での被害をより懸念している。
◆音楽や映像の場合、韓国内のオンラインで流通されるコンテンツの70〜90%が、不法コピーだ。年間国内での著作権の侵害規模は、2兆ウォンを上回る。著作権法違反の告訴事件は、06年の約1万件から昨年は約7万8000件へと急増した。今年7月23日から、不法コピーを流通させたオンラインのサービス提供者には、停止を命ずることができる改正著作権法が実施されている。不法ダウンロードが横行することになれば、文化コンテンツの産業は発展できない。著作者が時間や努力を費やして作った創作物が横取りされ、道端で安価で売られたり、無料でインターネット上に流されることになれば、果たしてだれが真心を込めて創作投資するだろう。
朴永均(パク・ヨンギュン)論説委員 parkyk@donga.com