「サッカーは身長でやるスポーツじゃありません。空間を突っ込むプレーには僕の『短い脚』がぴったりです」
プロサッカーKリーグの光州尚武(クァンジュ・サンム)の崔成国(チェ・ソングク、26)は最前方の攻撃手としてチームをけん引している。靴を履いて計った身長が172センチに過ぎない彼は、速い足と絶妙な個人技で相手守備陣を錯乱する。彼の活躍のおかげで、昨季、最下位だった光州は今季は早くも9勝を記録した。崔成国は、「背が低いためか、ファンがもっと熱烈に応援してくれる。サッカー選手になって本当に良かった」と話した。
●短身選手の活躍が眩しいサッカー界
世界サッカー界に、「短身」フィーバーがすごい。最近まで世界ランキング1位をマークしたスペイン代表チームには目立って「脚の短い」選手が多い。伝統の強豪・アルゼンチンも一緒だ。昨季、3冠を達成し、最高の1年を過ごしたスペインリーグのバルセロナも平均身長で言うとお尻から1、2位を争う。
1998年、フランスワールドカップ(W杯)に出場した韓国代表チームの平均身長は181.3センチ。最近、パラグアイとの強化試合を行った現代表チームの平均身長も同じだ。11年が経っているが、身長は全く変わっていない。
「ビックサイズ」が必須とされる球技種目でこのようにサッカーだけが例外であるわけは何だろうか。スポーツ研究所のシン・ドンソン所長は、「脚の長い選手は短身に比べて、回転をする時に、方向転換が遅い。瞬間的な方向転換と横的な動きが重要なサッカーで、背の低い選手が競争力が持てる」と説明した。
体育科学研究院のムン・ヨンジン博士は、「動くボールを扱うサッカーでは力よりはインパクトがさらに重要だ。重量中心が低い選手は、より良いインパクトでタイミングを合わせることができる」と強調した。同氏は、シューティング速度が速く、柔軟性に長けている点も短身選手の長所として挙げた。
●短い脚、コンプレックスはない
これからもサッカーでは「短身コンプレックス」はないものと見られる。大韓サッカー協会の金ドンギ技術分析委員長は、「速いパスと瞬間的なスピードを重視する現代サッカーで、身長の利点は消えつつある」とし、「かつては背の高いターゲット型ストライカーが必須だったとすると、今は選択になっている」と話した。
仁荷(インハ)大学の金ビョンジュン教授(スポーツ心理学)の分析も似ている。科学的なウェートトレーニングで体のバランスをよく整えると、現代サッカーで短身選手の活用の幅はさらに拡大すると言う。金教授は、「バルセロナのリオネル・メッシは11歳の時、自分の成長ホルモンに問題があることを知って、さらにサッカーにだけ専念した」と話した。低い背がかえって動機を与える肯定的な面として働けるという話だった。
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