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[オピニオン]医療観光客

Posted August. 03, 2009 09:03,   

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ソウル市が7月末、日本の主要旅行会社10社の商品企画者を招いて行ったファム・ツアー(下見旅行)には、漢方医料やエステに関する紹介が含まれた。京畿道(キョンギド)は道内の7つの病院の関係者を、新興富国であるカザフスタンの最大都市アルマティに派遣し、医療事業のついての説明会を開催した。韓国の病院や医院と、日本人患者とをつなぐコールセンターは、8月初めから東京でサービスを開始する。外国人が韓国医療観光についての情報を手にしたい場合、通訳を通して相談できるインターネット・サイトも登場した。

◆韓国は、医療サービスを産業と認識するのにずいぶん遅れている。タイやシンガポール、インド、マレーシアは、世界の医療観光客の誘致に力を入れてきた。タイのある病院では、患者の半数以上が外国人だ。ところが、我々はこれまで大して気にかけなかった。韓流ドラマのおかげで、韓国の成形手術の実力が口コミによって広まったものの、患者の誘致にまで結びつけることはできなかった。医療法(第27条3項)で、患者を医療人に紹介・斡旋する行為を禁じてきたのも一因である。エステや整形外科、歯科や心臓血管、臓器移植などの分野は、ほかの国に比べ、医療技術の競争力が高いという評価を受けてきたが、行政の規制などにより、成果を出すことができなかった。

◆医療観光客に対する国内病院のサービスは昨年から大幅に変ってきた。外国人の団体患者が訪ねてきたら、病院長が直接出迎え、相手国の国歌を演奏することもある。政府は今年に入って、医療産業を未来の成長エンジンの一つに決めた。医療法の改正を受け、今年5月1日から海外患者に対して病院のPRを行うことが可能になった。医療観光ビザは5月11日に新設され、国内病院に予約した海外患者の入国が容易になった。このような変化のため、5月にはソウル大学病院など6つの医療機関を訪ねた海外の患者は、昨年5月に比べて41%増加した。今年1〜4月の伸び率(32%の)より高い。

◆世界の医療観光市場は12年、1000億ドルに上るものと見られる。この市場を巡り、40ヵ国が競争を繰り広げている。わが国は国際的な知名度が低く、医療紛争に備えた法規がまだ足りない。PR能力や医療機器産業の競争力も低い。インドやタイは、外国人の富裕層患者に対する優遇政策を実施し、優秀な医療人を投入している。にもかかわらず、冠状動脈迂回術の場合、治療費は米国の10%水準で、我々より一際安い。韓国は何を強みとして掲げ、どの市場に食い込もうとするのか、具体的な戦略や実行力が肝心だ。

洪権熹(ホン・グォンヒ)論説委員 konihong@donga.com