病魔（乳がん）と戦っている妻にトロフィを捧げたいと語ったフィル・ミケルソン（３９）、不振に苦しんだ末、劇的な人生逆転を狙うデビッド・デュバル（３８）、昨年、足を引きずりながら１８ホール延長戦の末に優勝した後、２連覇に挑んだタイガー・ウッズ（３４、以上米国）。それぞれが劇的なドラマを夢見ながら優勝争いに飛び込んだが、主人公は別にいた。
大雨を降らし続けた空は、やっと青い姿を現し、「素手の男」ルーカス・グローバー（３０、米国）に勝利の微笑みを送った。
悪天候により、予定期間を一日過ぎた２３日、米ニューヨーク州ベスページ・ステートパーク・ブラックコース（パー７０）で終了した第１０９回全米オープン選手権大会。世界７１位、地域予選を経て出場したグローバーは、４ラウンドで１バーディーと４ボギーで３打を失ったものの、１６番ホール（パー４）で同日、唯一のバーディーのおかげで、通算４アンダー２７６打で初のメジャータイトル獲得した。０５年、フナイクラシックに続く通算２勝目。優勝賞金は１３５万ドル。
ゴルフグローブをはめないグローバーは０１年、プロに転向後、以前出場した全米オープンで３回共に通過できなかった。短気な性格のため、試合をだめにしてしまう時が多かったが、昨シーズン終了後、７週間、クラブを持たず妻と釣りや旅行などをし、人生の楽しみに気付いたのが優勝の秘訣だった。
韓国のシャフト・メーカーであるＭＦＳの「マトリックス・オジック・エックスコン（Matrix Ozik XCon）」を使う彼は、７１％のフェアウェー率と７２％のグリーン的中率を追い風に、精巧にコースを攻略した。
グローバーは、１５番ホール（パー４）で４番、魔のボギーを叩き、ミケルソンとデュバルに首位タイを許した。しかし、１６番ホールで２番目のショットをピン左側１．５メートルに引き寄せた後、バーディーで勝負を決定付けた。
ミケルソンは１３番ホール（パー５）をイーグルで、追いかけに乗り出したが、１５番ホール（パー４）と１７番ホール（パー３）でボギーを叩いてしまった。ミケルソンとデュバル、そして前日単独首位だったリッキー・バーンズ（米国）の計３人は、２位タイに止まった。ウッズは、１ラウンド当り平均パット３０に足を引っ張られ、６位タイ（イーブンパー）に後退した。アンソニー・キムは１６位タイ（３オーバー）、崔京周（チェ・キョンジュ）は４７位タイ（１２オーバー）となった。
kjs0123@donga.com
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