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[社説]権力を家業のように世襲する北朝鮮、世界が嘲笑

[社説]権力を家業のように世襲する北朝鮮、世界が嘲笑

Posted June. 03, 2009 07:37,   

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北朝鮮で金日成(キム・イルソン)、金正日(キム・ジョンイル)、金正雲(キム・ジョンウン)と続く3代権力世襲が企図されている。北朝鮮当局は先月28日、海外の公館長に、「金正雲後継者内定」の事実を伝え、住民に金正雲を「金大将」と呼ばせ、称賛する歌を教えているという。金正日一家が、「朝鮮民主主義人民共和国」という見かけだけの看板の裏で、政治権力を家業と見なして子々孫々福楽を享受しようとしているのだ。

北朝鮮の3代世襲は、韓半島和平のためにも、北朝鮮の未来のためにも、不幸なことだ。金日成主席は韓国戦争を起こし、同族が争うことになった。金日成、金正日親子は、大韓航空旅客機を爆破して罪のない同族を殺害し、韓国の大統領と政府関係者を狙ったアウンサン廟の爆弾テロも行なった。金正日総書記が政権を握った後も、2度も西海(ソヘ・黄海)で武力挑発を行ない、韓国の軍人が戦死し、負傷した。北朝鮮の権力世襲は、対南赤化の野欲と好戦性を代々に引き継ぐという意味だ。

いま北朝鮮は、過去の権力継承の時と似た動きを見せている。ロケット発射と核実験の直後に、金正雲氏の後継者内定を公式化した。世界の平和を脅かす武力示威を金正雲氏の業績とすることで、権力基盤を固めようという術策だ。金正日総書記は、74年に後継者として指名を受けたが、北朝鮮はそれ以前の69年、米プエブロ号拿捕と米偵察機撃墜が、金正日の業績だと宣伝した。北朝鮮が、今度は金正雲氏の業績を作り出すために、何をしでかすかわからない。

3代世襲は、北朝鮮住民が経験している不幸の根源だ。彼らは、限られた国家資源を独裁権力の維持と軍事力強化に注ぎ込み、住民は食事もままならない。餓死者だけでも数百万人にのぼる。北朝鮮には、自由も人権もない。2300万の住民を地獄のような生活に追い込んだ専制主義世襲王朝がどこまで行くのか、世界は嘲笑とともに見つめている。

3代世襲は容易ではなさそうだ。金正雲氏と2人の兄との間に権力闘争が生じる恐れもある。脱北者が増えるのを見れば、住民の反応も普通ではない。病弱な金正日総書記が長期間息子を保護し、無事に権力の座に就かせることができるのかも疑問だ。

金正雲氏の世襲強化のための北朝鮮の挑発に、私たちはしっかり備える必要がある。北朝鮮の混乱が、韓半島全体に広がることがあってはならない。