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[オピニオン]韓国版ヘリテージ財団

Posted May. 19, 2009 08:27,   

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米ヘリテージ財団は、いわゆる「レーガン革命」に大きな影響を与えた民間の政策研究機関である。1981年、緊急政策アジェンダとして打ち出した「リーダーシップ指針」に盛り込まれた約3000件の改革案のうち、60%以上がロナルド・レーガン政権の政策として採択された。ヘリテージは自由市場、自由貿易、強い国防、伝統的な価値、法治の重要性を強調する。ウォールストリート・ジャーナル紙と共同で1995年から毎年発表している「世界経済自由度指数」も国際的に大きな影響力を持つ。

◆1973年に設立された同財団の研究分野は、政治・経済・安全保障・外交・教育などを網羅する。ヘリテージ財団をはじめとする米国の保守系シンクタンクは、1970年代以降、自由と責任の重要性を強調し、米国社会の流れの転換に少なからぬ貢献をした。「庶民と少数」を売りにしながら高級車を乗り回す偽善的なリベラリストを「リムジンリベラル」と規定し、漠然としてリベラリストが道徳的な「善」と見なされていた社会認識を大幅に変えた。最近の韓国の「江南(カンナム)左派」や「口だけリベラル」も米国の「リムジンリベラル」とよく似ている。「左派業」で金儲けして自分は上流社会の生活を享受し、子供は外国に留学させている人も数多い。

◆全国経済人連合会傘下の韓国経済研究院(韓経研)と日海(イルへ)財団の後身である世宗(セジョン)研究所を統合し、「韓国版ヘリテージ財団」ともいえるシンクタンクを作ろうという声が上がっている。韓経研は経済分野が得意分野で、世宗研究所は、外交・安全保障分野の研究者を多く擁している。韓経研は言うまでもなく、世宗研究所も設立当初の財源にさかのぼると、全斗煥(チョン・トゥファン)政権時代に大手企業が拠出して創設された研究所だ。軍事政権が作ったシンクタンクが金大中(キム・テジュン)・盧武鉉(ノムヒョン)両政権時代に対北融和政策や「従北」政策を支える活動をしたのは歴史の皮肉といえよう。

◆韓国企業は、左派が政権を握っていた10年間、度々卑怯な姿を見せていた。財界が一部勢力の悪意に満ちた攻勢に立ち向かって「大韓民国体制」を守るため努めてきたとは胸を張っていえないだろう。むしろ、市場と企業に敵対的な各分野の左派集団に財政的な支援をしながらもいつも裏切られるありさまだった。韓国にも政権党が保守系であれ、進歩系であれ、自由民主主義の価値を支える独立したシンクタンクが根を下ろす時に来ている。韓国版ヘリテージ財団の設立に財界も積極的に参加することを期待したい。

権純活(クォン・スンファル)論説委員 shkwon@donga.com