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趙紫陽回顧録「007執筆」

Posted May. 18, 2009 08:28,   

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趙紫陽・元中国共産党総書記の回顧録『国家の捕囚』が、自宅での軟禁状態で録音した肉声テープをもとに執筆されたものであることから、どのように録音、保管、搬出されたのかが注目される。趙紫陽は、事実上24時間の監視を受け、テープは60分の分量で30本にのぼる。香港のサウスチャイナ・モーニングポストは、回顧録の英語版の序文と出版の過程に加わった人々の言葉を引用して、その内幕を紹介した。

趙紫陽のテープを密かに持ち出した人の1人であり、「ハーバード・ビジネスレビュー」の編集長を務めているアディ・イグナティウスは、英語版の序文で「家族にも知られず、密かに録音し、録音したテープを書斎や居間に散らばっている孫のオモチャといっしょに置いておいた。家族も、テープの存在を知らなかった」と明らかにした。

使用したテープも、子ども向けの童謡や京劇テープなどの安物で、テープの表面には鉛筆で薄く自分だけが分かる番号をつけただけで、何の表示もなかった。趙紫陽は、テープを外部に持ち出す時も、数人の信じられる知人に分け、一度に紛失・押収されることを避けた。

05年1月、趙紫陽の死去後、テープを保管していた知人たちは、テープを1ヵ所に集め、録音・翻訳・編集などの作業を密かに始めた。外部に流れたテープは原本ではなく、原本は後に、彼の書斎にあった孫のオモチャの中から発見されたという。回顧録の出版は、趙紫陽の政治秘書である鮑東の息子夫婦が主導した。鮑東は現在、北京で「密着監視」を受けている。

いっぽう、趙紫陽は、回顧録で天安門事件に対する戒厳令決定からデモ隊に対する発砲まで、中国共産党指導部の主要決定が正当な手続きを経ず、不法に行なわれたと主張した。

中国官営新華通信の「天安門事件報告書」などの公式文書によると、5月17日、頳小平の自宅で中央政治局商務委員会が開かれ、表決で戒厳令の宣布が決定(宣布は5月20日)されたとなっているが、その場に参加した趙紫陽は、公式的な表決はなかったと明らかにした。

趙紫陽は同日の会議後、デモ隊に対する武力使用の可能性を憂慮し、中央辦公聴主任の温家宝・現首相に政治局会議を召集するよう指示したが、「むだなことだ。すべての決定は、李鵬と楊尚昆がしている」と答えたと主張した。

14日から香港で出版された回顧録の英語版は、飛ぶように売れている。有名書店は、今月末に出版される中文版『改革歴程』を購入するよう勧めていると、香港メディアは伝えた。中国メディアは、趙紫陽の回顧録の出版について、まったく報道していない。



bonhong@donga.com