オバマ米政府が、向こう5年間で成績不振の学校約5000校を閉鎖し、校長と教師を入れ替えて、まったく別の学校に改造する教育改革を推進する。1年に1000校ということは、米全域の学校の中で学業達成度が最下位の1%を毎年閉鎖し、新しくするということになる。アーン・ダンカン教育長官は、「生徒が良質の教育を受ける機会は、一生に一度だけだ」と述べ、教育改革の必要性を強調した。学生時代に、個々人の潜在能力を最大限に引き伸ばす教育を受けることができなければ、その被害が生涯にわたって、社会・経済的格差につながる可能性がある。
良質の教育に向けたオバマ教育改革の核心は、競争と責務だ。ダンカン長官は、改革対象が「長い間、生徒の学業達成度が悪い学校」であることを明確にした。学校と校長、教師を競争させることで、生徒の学業達成度を高め、厳格な評価を通じて、成果が悪ければ全員解雇も辞さないということだ。特に、民主党の支持勢力である教員労組の激しい反対にもかかわらず、成果給システムと授業日数および授業時間の拡大を推進している。支持層に迎合して政権を支えるよりも、国民と国家の未来の競争力が重要ということだ。
就任4ヵ月も経たず、大胆かつ具体的な教育改革戦略を明らかにしたオバマ政府を目にし、韓国の教育の現実を考えると、もどかしくなる。教育科学技術部は19日、学校長の教員招聘権の拡大、教科別授業時間の自律的編成の拡大などを骨子とした「学校自律化推進案」を確定、発表する。しかし、優秀な教師を招き入れるには、無能な教師を追い出さなければならないが、現在、校長には人事権がなく、校長は夜も眠れないという。私教育費の節減を掲げ、「放課後教室」や「夜10時以降の学習塾の禁止」を推進する態勢だが、教育部と未来企画委の足並みがそろっていないうえ、公教育の強化案は出ていない。
オバマ大統領は、「生徒の成績を向上させる優秀な教師は、多くの給与を得ることができ、実績が悪い教師は、教師を続けるとは言えなくなるだろう」と、教師の解雇について言及した。いっぽう、韓国では、非適格教師の解雇どころか、全国教職員労働組合(全教組)の強い反対で、教員評価、成果給制度も定着していない。生徒の評価も、毎度、全教組が足を引っぱる。生徒の学力を正確に評価してこそ、教師がしっかりと教えたかどうかを知ることができるのではないか。
李明博(イ・ミョンバク)政府の教育政策は、明確な哲学も確信もなく、右往左往している。未来の世代が良質の教育を受ける機会が失われつつある。






